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【おすすめ本】ブランディングの科学

2025.07.19  ·  更新: 2026.01.20
【おすすめ本】ブランディングの科学

この記事はこんな人におすすめ


記事の概要

本記事では、マーケティング科学者バイロン・シャープが提唱する「ブランド成長の法則」をわかりやすくまとめます。従来の「顧客ロイヤルティ重視」や「ターゲティング中心」の考え方に真っ向から反する内容に、多くのマーケターが衝撃を受けています。
この記事では、11の法則と2つの重要概念「メンタルアベイラビリティ」と「フィジカルアベイラビリティ」に触れ、実務に活かせるポイントを整理します。


この記事を読むことで変わること(Before / After)

Before(読む前)After(読んだ後)
差別化・ロイヤルティが重要だと思っているブランド成長には「広く・浅く」が効果的と理解できる
狭いターゲット層を狙うのが正解だと思っているライトユーザーを含めた「全体市場」を重視する意識に変わる
継続購入者だけを大事にすればよいと思っている「非利用者への認知拡大」こそが成長戦略だと理解する

『ブランディングの科学』とは?

『ブランディングの科学(How Brands Grow)』は、バイロン・シャープ(Byron Sharp)によるマーケティングの実証研究書です。長年の消費者行動データとマーケティング分析に基づいて、「ブランド成長のメカニズム」を科学的に明らかにした一冊であり、「マーケティングの通説に真っ向から反論する」として多くの注目を集めました。書籍の中では、コトラー本の内容を真っ向から否定している箇所もあります。

バイロンシャープの画像

画像はWikipediaより引用

個人サイトは下記

www.byronsharp.comByronSharp.comwww.byronsharp.com/

11のマーケティングの法則とは?11のマーケティングの法則(『ブランディングの科学』)

バイロン・シャープが提唱するマーケティングの科学における11の法則(主に『How Brands Grow』第1巻に基づく)は以下のとおりです。

  1. ダブルジョパディの法則
  2. リテンション・ダブルジョパディの法則
  3. パレートの法則
  4. 購買行動適正化の法則
  5. 自然独占の法則
  6. 顧客基盤が類似する
  7. ブランドに対する態度と使い方が行動的ロイヤルティに反映される
  8. ブランド使用体験が態度に影響を与える
  9. プロトタイプの法則
  10. 購買重複の法則
  11. NBDディリクレ・モデル

11の法則の簡単な解説と英語名

特に知りたい法則は英語名で検索すると多くの記事がでてきますので参考にしてください。

#法則(日本語訳)原典でよく使われる英語名エッセンス一言
1ダブルジョパディの法則Double-Jeopardyシェアが小さいブランドは「買う人も少なく、ロイヤルティも低い」二重の不利を受ける。
2リテンション・ダブルジョパディの法則Retention Double-Jeopardyシェアが小さいブランドは「失客率も高い」ため、維持でも不利を背負う。
3パレートの法則(60/20 ルール)Pareto (60/20)上位20%顧客が売上の約60%を生む。80/20 ほど極端ではない。
4購買行動適正化の法則Law of Buyer Moderationヘビーバイヤーは次期に減り、ライトバイヤーは増える傾向(平均への回帰)。
5自然独占の法則Natural Monopoly大ブランドほどライトユーザーを多く抱える。
6顧客基盤が類似するCustomer Base Similarity同一カテゴリのブランドは顧客構成が驚くほど似る。
7態度と想いが行動ロイヤルティに反映されるAttitude-Behaviour Loyalty“好き”と言う人ほど購買頻度が高いが、これはビッグブランドでは絶対数が多いだけ。
8ブランド使用体験が態度を与えるExperience-Drives-Attitude使った経験がブランド好意を高める。好意が先ではなく結果の場合が多い。
9プロトタイプの法則Prototypicalityカテゴリらしさを体現するブランドは想起されやすく、選ばれやすい。
10購買重複の法則Duplication of Purchaseあるブランドの顧客が他ブランドも買う確率は、他ブランドのシェアで説明できる。
11NBDディリクレ・モデルNBD-Dirichlet Model購買頻度・重複など消費者行動を数理的に一括説明する統合モデル。

2つの重要な法則

メンタルアベイラビリティ(Mental Availability)

購入の「場面(シチュエーション)」で自ブランドを思い出してもらえる可能性のこと。消費者の記憶の中で「選択肢のひとつ」に入ることが重要

フィジカルアベイラビリティ(Physical Availability)

購入したいと思った時に「すぐ買える状態」にあること
チャネル戦略、流通、在庫、立地、EC対応などすべてがここに含まれる

以下の2点の問いかけを大事にしてください。(観省庵思考メモ)
・顧客は、心の中であなたの商品/サービス/ブランド名思い出せるか?
・顧客は、あなたの商品/サービス/ブランド名は手に入りやすいか


個別解説 & 実務へのポイント

1. ダブルジョパディの法則

2. リテンション・ダブルジョパディの法則

3. パレートの法則(60/20)

4. 購買行動適正化の法則

5. 自然独占の法則

6. 顧客基盤が類似する

7. 態度と思いが行動ロイヤルティに反映される

8. ブランド使用体験が態度を与える

9. プロトタイプの法則

10. 購買重複の法則

11. NBDディリクレ・モデル


どう使うか:実務的チェック観点

  1. KPI設計
    • 浸透度(Penetration)を主要KPIに入れる。
      • ロイヤルティ指標は「ファン化」より「平均購買頻度」で把握
  2. メディア配分
    • 同一ターゲティングで狭く最適化し過ぎない。ライトユーザーに届く媒体を一定比率確保。
  3. リサーチ
    • 好意度調査は経験者/非経験者を分けてクロス集計。
    • ブランド間の態度差を議論する際はシェア補正を忘れない。
  4. 計画評価
    • キャンペーン後の売上・シェア変化を NBDディリクレ予測と突き合わせ、統計的に検証。

ブランディングの科学』の注意点

BtoCマスマーケティング前提

ロイヤルティ戦略を否定しているわけではない

差別化軽視の誤解に注意

短期的な効果ではなく中長期視点

従来の「ポジショニング理論」との対立構造

なんでもそうですが、全てを解決できる法則はないので、適材適所で道具として利用することが大事です。限られた状況でのエビデンスという姿勢が大事です。

まとめ

・バイロン・シャープの『ブランディングの科学』は、マーケティングの「思い込み」を打ち砕き、ブランド成長における“科学的に正しい”方向性を示してくれます。
・「差別化よりも記憶資産」「ロイヤルカスタマーよりライトユーザー」「ターゲティングよりリーチ」がブランド成長のカギ。
・本書の内容を実務に落とし込むことで、マーケティングの解像度は一段と上がるはずです。ぜひ下記本を一読してみてください。

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%AE%E7%A7%91%E5%AD%A6-%E8%AA%B0%E3%82%82%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%8711-%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%97-ebook/dp/B07GXKC3SG?_encoding=UTF8&dib_tag=se&dib=eyJ2IjoiMSJ9.wWPrcPeqxagxMVEJcN9armdvEK1cri7zS8x6IpFfGztSMdxqhfuXQV2P1A1OxzCKJu3OiDzy8YWmJ35gwEZso8oZq82_lXsx67cfTy7SD4A1JQmiUdblUHY5zcSo251KoYKzdP4ldcpjeUdLzqxjL3dI5fYAcJT2uUyFwcHYxl4N5_9e3GTXRhJxOnGm-L1eZCBZJdS4fLNrq6io86W_g40bQj8RmTTvM6AT6K_kLCf2SG_O93BvKMCtLQvNKMvT8JMhV6054oWgx1G11dIPx4NK_w7JW8LhAo4qS-ShcdU.NXhGT3EUKgSaNfNTZ2w4VCpnham928PopLsjYv7TjIQ&qid=1752875656&sr=8-1&linkCode=ll1&tag=kanseian-22&linkId=966ca6fff73ec87485d02a293ec851b0&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_tl
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