マーケティング

“売り込まない”でお客様を引き寄せる時代へ ― インバウンドマーケティングとは?

2025.07.11  ·  更新: 2025.07.12
“売り込まない”でお客様を引き寄せる時代へ ― インバウンドマーケティングとは?

インバウンドマーケティングとは何か?

インバウンドマーケティングとは、お客様に“見つけてもらう”ためのマーケティング手法です。
従来の「テレアポ」「飛び込み営業」「テレビCM」など“こちらから働きかける”マーケティング(アウトバウンド)とは逆のアプローチです。

米HubSpot社の創業者、ブライアン・ハリガンとダーメッシュ・シャアが提唱したこの考え方は、 「役立つ情報を発信し、信頼を獲得し、自然と顧客になってもらう」 ことに焦点を当てています。

HubSpot社のブログ1によると、インバウンドマーケティングとは、ターゲットオーディエンスのニーズに寄り添い、ロイヤルティーの高い顧客を惹きつけるマーケティング手法と記載されています。

先に情報を与え、その蓄積で信頼を獲得し、問い合わせをしてもらうことが大事です。

なぜ今、インバウンドマーケティングが注目されるのか?

現代の消費者は、広告を避け、まず「自分で調べる」時代です。多くの広告はスキップされ、その後自分で比較サイト・SNS等で比較・レビューを自ら検索します。

自分に合う情報を選びたいだからこそ「自社の商品・サービスが検索されるように」「選ばれるように」する必要があります。

これを可能にするのが、インバウンドマーケティングです。

見込み客から「見つけられる」ようになるためには、提供する商品なりサービスが「突き抜けている」必要があります。突き抜けているとは、「ユニークである」「注目に値する」ということです。

要は、

「他の会社と比べて何が違うのか?(差異)」

「自分の課題を解決してくれそうか?(課題解決)」

「いつ解決してくれるか?(時間軸)」

です。

自分の課題を解決してくれそうで、他社と比べて違う差異があることで、消費者にとって「注目に値するか?」が重要です。

「DTSフレームワーク」「DISフレームワーク」とオリジナルで作成してみました。
(Difference・Task・Speedの頭文字)

DTSフレームワーク(表面的な課題を解決する時に利用)

要素名内容の意味顧客が知りたいこと
Difference(差異)他社との違いは?独自性・優位性は?「ここに頼む理由は?」
Task Fit(課題適合)自分の課題にマッチするか?「これは自分向きか?」
Speed(時間軸)どれくらいの期間で実現するか?「いつ結果が出るのか?」

DISフレームワーク(より本質的な課題を解決する時に利用)

要素名意味顧客視点での問い
Difference(差異)他社と比べた独自の強みや価値「他とどう違うのか?」
Issue(課題)顧客の本質的な問題に対応しているか「私の悩みを解決してくれるのか?」
Speed(時間軸)どれだけ早く成果が出るのか「どのくらいで解決できるのか?」

※「Issue」採用のメリット

比較軸Task(タスク)Issue(イシュー)
意味の深さ表面的な「やるべきこと」根本的な「困っていること」
適用場面手順・業務改善課題解決・意思決定支援
相性が良い業種IT、SaaSなどの作業支援系コンサル、戦略支援、問題解決型

インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの違い

どちらが一概にいいというわけではありませんが、企業の成長フェーズや戦略に応じて使い分けが重要となります。農業と同じで、いきなり刈り取りを考えずに、種まきが重要だと個人的には考えます。

項目インバウンドマーケティングアウトバウンドマーケティング
アプローチの方向顧客から自社を「見つけてもらう」自社から顧客へ「働きかける」
主な手法ブログ、SEO、SNS、ホワイトペーパー、YouTubeなどのコンテンツテレアポ、ダイレクトメール、テレビCM、新聞広告、飛び込み営業など
情報の受け取り方顧客の意思で「自発的に探す・選ぶ」顧客の意思に関係なく「割り込む・届ける」
ターゲティング精度関心がある人だけに届く(検索・SNS経由)不特定多数に届ける(広く浅く)
コスト構造コンテンツ作成に時間はかかるが、長期的に低コストで運用可能媒体費・人件費など、継続的に高コストがかかる
顧客との関係性顧客の信頼を得てから購買へつなげる信頼構築より先に購買を促す傾向がある
主な目的顧客の悩み解決・価値提供 → 購入へ自社の商品・サービスを知らせて購入させる
適している業種・規模感中小企業、専門性の高いサービス、継続的な関係づくりに向いている短期間で広く告知したい場合、大企業・マス向け商品に向いている

インバウンドマーケティングの4ステップ

(※書籍『インバウンドマーケティング』に基づく)

① Attract(惹きつける)

見込み客が興味を持つブログ、SNS投稿、SEO対策されたページで、自社を「見つけてもらう」段階。

② Convert(転換する)

訪問者にアクション(例:資料請求、問い合わせ)を促し、見込み顧客として接点を持つ段階。

③ Close(顧客化する)

営業やマーケティングオートメーションを活用し、見込み客を“顧客”へと育てる段階。

④ Delight(感動を与える)

購入後も価値ある情報を届けることで、リピートや紹介を促す段階。

基本的には、秀逸なコンテンツを作り、コンテンツが営業をしてくれるような状態が理想です。

(前提として、ウェブサイトやSNSアカウントなどコンテンツを配信するメディアは必要です。)

そのために、『あなた自身を半分マーケッター、半分を出版者とすべきです。』(下記紹介本より)
財布の大きさよりも、頭脳の大きさによってマーケティング計画は決定されます。

また、「優れたコンテンツは社内に秘匿しなければならない」といった固定観念は捨てましょう。逆に外部リンクを誘引する材料として活用するなど考えていくことが重要です。結局、情報を先に与えて、信頼を獲得するほうが、長期的に成果を発揮します。出し惜しみしていたら競合が似たような情報を出した際は、二番煎じのことしか言及しづらくなります。秘匿があるならばオープンにして、人々が興味をもつコンテンツを磨きあげそれを提供しましょう。

相手が検索したタイミング(課題を認識しアクションしたとき)に適切な案内ができれば、商談や購入に繋がりやすくなります。

初めてインバウンドマーケティングを勉強するなら?

https://www.amazon.co.jp/%E3%80%90%E5%A2%97%E8%A3%9C%E6%94%B9%E8%A8%82%E7%89%88%E3%80%91%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%90%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0-%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%B3-%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%82%AC%E3%83%B3-ebook/dp/B01N0TFFQZ?encoding=UTF8&dib_tag=se&dib=eyJ2IjoiMSJ9.PchRXj9mQnE6RhB25rZXT_R9zj_yLkZIRdsJHwd0Y31h6o1fh6YqbRziYx0CCIBEUvyR2yQbltcvIdhNNdIgwDsS0qI9pI09HLsP4advfYrW1qCxXrNW8fzbAAMxyd93z5OauALjtr90tmxSHy_4Y7Fwqk4Hh_b0fMnKNTv0JB60HFZjA5CD9JHJ_kLF0_ecHUfw_RVxn2M6mLD5MwVP8A3KIFKK58epxO8Kgw2pMDMY-9QC3sVs4LvgmQUyyICXPbrgK2eabI8Qyu0Xtg-SmrVCjB1e8FvY3ZUoWpc6QLI.s-zQAhyNG4VrvNko4-qwFemvP_ByNPGUE_Puu_AgAoI&qid=1752159070&sr=8-2&linkCode=ll1&tag=kanseian-22&linkId=658bc67f058b4ed9d1a753c13d7e2a66&language=ja_JP&ref=as_li_ss_tl

2011年1月27日第1刷の本です。もう14年も経ちますが、根本的な原則は変わらず手法が変わったというのが正しいでしょう。特にAIの変化は言及が薄いので、現在はまた一段ことなるインバウンド手法を考える必要がありそうです。

参考URL

MAツールであるHubSpotは、インバウンドマーケティングを基盤にオールインワンの製品を構築しています。無料プランもあるので、登録して、学習してみることも推奨します。

https://www.hubspot.jp/inbound-marketing

  1. https://www.hubspot.jp/inbound-marketing ↩︎
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