FABE(ファブ)とは?営業・マーケティングで効果を高めるプレゼン手法

コンサルタントの道具箱

この記事はこんな人におすすめ

  • 提案やプレゼンで商品の魅力をうまく伝えられない営業担当者
  • 「特徴は説明できるけど、なかなか受注につながらない」と悩む方
  • マーケティング資料や営業トークを体系化したい経営者やマーケ企画担当者

記事の概要

営業活動やマーケティングでは、単に「商品の説明」をするだけでは相手に響きません。
そこで役立つのが FABE(ファブ)法

FABEとは、Feature(特徴)→ Advantage(優位性)→ Benefit(利点)→ Evidence(証拠) の流れで商品やサービスを説明するフレームワークです。

相手の「知りたいこと」と「納得するための要素」を順序立てて伝えることで、説得力が高まり、購買行動につながりやすくなります。


この記事を読むと変わること(Before / After)

Before(読む前)After(読んだ後)
商品の説明が「機能紹介」で終わってしまう相手の心に響く「価値ある提案」ができる
営業トークが場当たり的になる論理的で再現性のある説明ができる
購入後のイメージを伝えられない顧客が「使った未来」をイメージできる

FABE(ファブ)とは?(定義)

FABE(ファブ)法 とは、商品やサービスを説明するときに以下の流れで整理するフレームワークです。

  1. Feature(特徴):製品やサービスが持つ機能や仕様
  2. Advantage(優位性):その特徴が他社と比べてどう優れているか
  3. Benefit(利点):顧客にとって具体的にどんなメリットがあるか
  4. Evidence(証拠):その主張を裏付けるデータや事例

「特徴」から始まり、「顧客にとっての価値」、最後に「信頼できる根拠」で締める流れです。


FABEの起源とは?

FABE(ファブ)法 は、もともと欧米の営業・マーケティング分野で体系化された プレゼンテーション手法 のひとつです。

起源をたどると、

  • 1970年代以降、アメリカやイギリスのセールストレーニングで使われ始めた
  • 「機能(Feature)を並べるだけでは売れない」 という反省から生まれた
  • コンサルティング会社やセールススクールが教材として普及させ、BtoB営業を中心に浸透した

といった流れがあります。

つまりFABEは、「モノ中心」から「顧客中心」へと営業スタイルが変化した時代背景 の中で生まれたフレームワークです。

日本には1980年代以降、外資系企業の営業研修やマーケティング理論の翻訳を通じて導入されました。現在では、法人営業だけでなく、小売・EC・プレゼン資料作成の場面でも応用されています。

FABEの各要素を詳しく解説

1. Feature(特徴)

まずは商品やサービスの客観的な機能を伝えます。
例:このパソコンは 最新の高速チップ を搭載しています。

2. Advantage(優位性)

次に、その特徴が他社や従来品より優れている理由を説明。
例:従来品より 処理速度が30%速い です。

3. Benefit(利点)

顧客にとってのメリットを具体的に伝える。
例:処理時間が短縮されるので、業務効率が大幅に改善 します。

4. Evidence(証拠)

最後に信頼できる根拠を示す。
例:実際に導入した企業では、作業時間を月20時間削減できた実績 があります。


FABEの活用メリット

  • 顧客の「納得感」を高められる
  • 論理的に伝えられるため営業担当ごとのバラつきが減る
  • 資料やプレゼン構成を簡単に体系化できる
  • 提案が「自社都合」ではなく「顧客価値」に寄り添った形になる

FABEの実践事例

事例①:SaaSツール(業務効率化ソフト)

  • Feature(特徴)
    クラウド上でプロジェクト管理ができる
  • Advantage(優位性)
    従来のExcel管理に比べてリアルタイム更新が可能
  • Benefit(利点)
    チーム内の情報共有がスムーズになり、ミスや遅延が減少
  • Evidence(証拠)
    実際に導入した企業では、案件進捗報告の時間を月10時間削減

→説明が「機能」だけで終わらず、「顧客にとっての改善効果」と「実績」で納得感を与えられる。


事例②:高機能掃除機(家電)

  • Feature(特徴)
    最新の吸引モーターを搭載
  • Advantage(優位性)
    従来モデルの1.5倍の吸引力
  • Benefit(利点)
    短時間で部屋がきれいになり、家事負担を軽減
  • Evidence(証拠)
    家電レビューサイトで「顧客満足度90%以上」を獲得

→ 家電量販店の店頭説明やECの商品説明文に活用できる。


事例③:人材育成研修(BtoBサービス)

  • Feature(特徴)
    実践的なワークショップ形式で進行
  • Advantage(優位性)
    一般的な座学型研修に比べ、習得度が高い
  • Benefit(利点)
    受講者がすぐに現場で使えるスキルを身につけられる
  • Evidence(証拠)
    導入企業のアンケートで「業務改善に直結した」と回答した割合が85%

→BtoB商談でも「成果が証拠で裏付けられている」ことが強い説得材料になる。



FABEと他フレームワークの違い

  • BANT:顧客の予算・決裁・ニーズ・導入時期を確認する評価軸
  • SPIN:質問を通じて顧客の課題やニーズを深掘りする話法
  • FABE:商品の魅力を「伝え方の型」に落とし込む手法

👉 SPINでニーズを掘り起こし、BANTで条件を確認し、FABEで価値を伝える
この3つを組み合わせると、営業の説得力は飛躍的に高まります。


まとめ

FABE(ファブ)法 は、

  • Feature(特徴)
  • Advantage(優位性)
  • Benefit(利点)
  • Evidence(証拠)

の流れで商品を説明するフレームワークです。

営業やマーケティングに取り入れることで、「機能の説明」から「相手に刺さる提案」へと変わり、受注率の向上につながります。

参考文献

FAB Analysis for Successful Telemarketing
FAB Technique

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