目まぐるしく過ぎ去る日常。幅広い業界で変化が起きている。その中、日本の政治は信頼感を失い、そんな時代に我々はどのように生きるか?
そんな問いを持つことがあります。
しかし、やみくもに考えても仕方がありません。
今起きていること、見えていることの原因を掴めなければ対策の方向を間違えます。
今日は私が通っていた大学の学長である大前研一氏の本のメモです。
この日本の論点シリーズは毎年出版されております。
本書籍大きくはじめに、日本編、海外編に分かれています。
はじめにでは、観光について、日本については政治や経済についてまとまっています。
メモ抜粋
【はじめに】
・ 2024年は、この数年の中でも、とりわけ大きな変化に見舞われた年だった。その理由は、日本を含む)、地域で大統領選挙や議会選挙が相次ぎ、多くの国で、リーダーの顔ぶれが一新され、議会の勢力図が大きくなり変わったからである。
・「アメリカファースト」を掲げるトランプ氏が、再びリーダーとなったアメリカがの今後どのような方向に向かうのか、戦闘が続くウクライナや中東の情勢はどうなるのか、北朝鮮に対する対応をどうするのか、台湾有事起こさないための外交政策、中国との覇権争いがどうなるかなどを注視する必要がある
・ 2025年がどのような年になるのか、予想することを極めて難しい。このような時は、”そもそも”なぜこのような問題や事件が起こっているのか、その原因まで遡り、それの対策や解決策を自分自身の頭でよく考えることである。
【巻頭言】
・ 日本の観光GDP比 (観光産業がGDPに占める割合は、コロナ禍前の2019年でわずか2.0%、それに対してスペインは7.3%、イタリアは6.2%、フランスは5.3%と、世界の観光立国は、日本の倍の5%以上を観光で稼いでいる。 日本のポテンシャルを考えると、GDPの10%近くを観光産業で稼いでもおかしくはない。
・ 国民が少子高齢化してるのだから、無理に地方創生にこだわるよりも、観光政策の企画、立案を独立して担う「観光省」を設置して、法改正も含めて、国家として全面的に取り組むべき
・ ただし、2024年はインバウンドの課題も浮き彫りになった。それはオーバーツーリズムの問題。
・ せっかくの景観を隠す黒幕や外国人を狙い撃ちにした。二重価格は、オーバーツーリズム対策として、下の下。 仮に、これらの対策が効果を発揮すれば、それは訪日観光客の抑制につながり、地域にお金が落ちてこなくなる。
・ 訪日外国人を呼び込んで、観光産業活性化しつつ、混雑緩和などで地域住民が安心して暮らせるようにして、両立させることこそ、真の観光大国
・ 訪日、外国人旅行者の呼び込みとオーバーツーリズム対策の両立と言う一見矛盾する。2つのことを同時に解決する方法がある。 それは、まだ観光地として注目されていないローカルな穴場地域の旅行であるアンダーツーリズムの推進。
・ 今、世界で人気があるのは、何もないところを開発したリゾート地だ。 もともと欧米の富裕層は、名所旧跡や観光施設で混み合う街よりも、何もなくて、一般の観光客がやってこない地域でのんびりと長期滞在することを好む傾向がある。 世界では、「何もない」「だれもいない」に価値がある。 とは言え、本当に何もないところに里から下はやってこない。これらのリゾートに共通しているのは、豊かな自然に囲まれている点。
・ 日本の観光に必要なのは、全国一律の規制ではなく、地域の個性を生かし、なおかつ一定のコンセプトで統一感のある開発ができる柔軟な仕組みである
・ 2024年7月の観光立国推進閣僚会議で、岸田文雄首相は「全国35カ所全ての国立公園で民間活用による魅力向上事業を実施する」と表明した。 具体的には、2030年までにすべての国立公園に高級リゾートホテルを誘致すると言う。これをきっかけにアンダーツーリズムを広げられるかどうか。これからは日本の観光産業の未来を占う試金石になるだろう。
【01】
・ 首相になって何をやるかだ。石破氏は総裁で様々な論点をあげていた。アジア版NATOの構築、日米地位協定の改定、地方創生、防災庁の創設、政治資金をチェックする第三者機関立ち上げ、憲法改正。さすがに政策通を見せたが首相になった後は、この幅の広さが仇になりかねない。やりたいことが多いと、推進力や突破力が削がれて、どれも中途半端に。リスクがある。
・ 好きなことをなそうとするなら、取り組むテーマを1つ、多くても内政外交で2つに絞らなくてはいけない。
・ 今が多いとうまくいかなくなるのは、企業経営同じだ。だめなコンサルタントは、クライアントの授業や組織を徹底的に分析して悪いところを洗い出す。そして、それらの欠点を裏返して、網羅的に改善提案を行うが、だめなところを直して良くなる会社は無い。12個位のポイントを直ちに改善しろと言われても、それを実行できる社長はいないし、どれも中途半端な結果となる。 企業成長させるには、対局を見て機会をとらえ、そこにリソース(経営資源)を注ぎ込むことが大切だ
・チャンスがあるのは日米地位協定の見直し
【02】
・ 2020年2月に日経平均株価は史上最高値を更新したが、これは日本の実体経済が改善されたからではなく、様々な要因で一時的に上がっているに過ぎない。日本の実体経済を回復させるには、国民や企業の失われた欲望を喚起させる以外に方法はないと言える。
・ 日経平均株価物差しそのものがインチキだ。東証プライム市場に上場する約1650銘柄の株価や時価総額の平均ではなく、日本経済新聞社が選んだ225銘柄の株価の合計を銘柄数で除しだものだ。構成銘柄は、東京エレクトロン等の株価の高い「値がさ株」に次々に入れ替えられており、その影響が強く出る計算方式なのである。
・ 株価の上昇は、日本の実体経済が良くなったことが理由ではない。
・ 日本経済停滞の元凶は、消費者と企業の低欲望化
・ 政府は、次々に景気対策を打ち出しているが、それらは経済刺激策ではない急場しのぎで、見当違いの政策だ。より、根本的な政策は、国民や企業の失われた欲望を喚起すること、より良い人生を謳歌したいと言う欲望に支えられて、消費や投資が活発になり、企業が利益を上げる。それを反映して、株価上がっていく。この流れを作らない限り、失われた30年は永遠に出発することができないことを政府を早急に自覚するべきだ。
【03】
・ 日本の生産力が低迷している背景には、人口減少と言う構造的問題がある。残念ながら、これまで人口減少と経済成長の両立を成し遂げた国は歴史上ない。
・ 衰退を反転させたければ、「人口を増やすこと」が必要条件である。そのためには子供を増やすか、それができないなら、女性の地位向上に注力するか、移民を積極的に受け入れて、労働人口増やすしかない。
・ 日本の生産性低下に大きな影響を及ぼしたのは旧統一教会
・旧統一教会は 反共の端印を掲げ、自民党議員に対し、積極的にアプローチを重ねて緊密な関係を構築してきた
・議員は転落すれば、ただの人である。選挙戦が何よりも大事で、人海戦術サポートしてくれる。旧統一教会には頭が上がらない。安倍元首相が、党内で強い力を持っていたのも、旧統一教会の実質的な、日本支部長として運動員を差配できたからであった。
・ そして、自民党議員が旧統一教会の信者から選挙応援を受ける代わりに、その犯罪的なまでの布教活動を黙って見過ごす、トレードオフの関係が成立していた
・ 自民党の政策には、宗教団体である旧統一教会などの宗教団体の教義が影響を及ぼす。
・ 韓国で創設された旧統一教会が日本支部を聞き、宗教法人として認可されたのは1964年である。岸元首相は旧統一教会の政治団体「国際勝共連合」の発起人にも名を連ねていた
・ 旧統一教会の父系優先の思想に、保守政党である自民党の従来の性格が相まった結果、夫婦別姓や、移民の議論が一向に進展を見せない。
・ そしてこれこそが、今日に至る日本の生産力低迷の原因に他ならない
・ 日本が名目GDPを向上させていくには、2つの段階を踏む必要がある。 まずは自民党自身が党内の問題含め、改めて旧統一教会問題に根本からケリをつけること。次のステップでは、戸籍の母系主義への変更と移民受け入れについての法整備を進める。この2つに関しては、デンマークとカナダオーストラリアなどの政策が参考になる。 移民政策については、カナダやオーストラリアが参考になる。
・「三バン」のない政治家が不利にならない仕組み作りをすべき
・ 海の声、受信の源となっており、岸田全勝の胎児の理由となった。政治家の裏金問題は、選挙に多額のお金がかかりすぎる現実と、現在の政党助成制度の問題点が原因。アメリカやエストニアのように、政治家の政治資金がガラス張りとなる制度の改革金がない候補者が不利にならない制度の改革も求められる。
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