この記事はこんな人におすすめ
- 幸福感を高めたいけれど、何をすれば良いかわからない
- 日々の忙しさで「今」を味わう余裕がない
- ポジティブ心理学やマインドフルネスに関心がある
- ストレスに強く、感情を豊かに保ちたい人
記事の概要
「セイバリング(Savoring)」とは、
幸福な瞬間を意識的に味わい、その感情を深める心理的スキルのことです。
人は同じ出来事を経験しても、
「味わう力」があるかどうかで幸福度が大きく変わります。
ポジティブ心理学の研究では、
セイバリングを日常的に実践することで、
ストレス耐性・人間関係・健康・創造性までもが向上すると報告されています。
🔍 「セイバリング」とは?(定義)
セイバリング(Savoring)とは、
喜び・幸福・感謝などのポジティブな感情を「意識的に味わい」「深める」心理的プロセスのこと。
心理学者 フレデリックソン(Barbara Fredrickson) や ブライアント(Fred B. Bryant) によって提唱され、「ポジティブ感情の増幅法」として研究が進んでいます。
🍃 セイバリングとマインドフルネスの違い
比較項目 | セイバリング | マインドフルネス |
---|---|---|
目的 | 幸福を“味わう” | 今この瞬間に“気づく” |
感情の扱い | ポジティブ感情を増幅する | 感情を評価せず観察する |
対象 | 喜び・感謝・充足など | あらゆる体験(快・不快問わず) |
実践例 | 美味しい食事をじっくり味わう、感謝日記を書く | 呼吸瞑想、ボディスキャンなど |
つまり、マインドフルネスが「気づく力」なら、セイバリングは「味わう力」。
セイバリングの3つの時間軸
心理学的に、セイバリングは「時間の感じ方」と深く関わっています。
「幸福」は“起きる”ものではなく、“味わう”もの。セイバリングは、時間を幸福に変換する技術です。
時間軸 | 説明 | 実践例 |
---|---|---|
過去のセイバリング(Reminiscing) | 過去の幸せな経験を思い出して味わう | 写真を見返す・思い出話をする |
現在のセイバリング(Savoring the Moment) | 今起きている喜びを意識的に感じる | 食事・自然・会話を五感で楽しむ |
未来のセイバリング(Anticipation) | 楽しみな予定を想像し、期待を味わう | 旅行の計画・目標の達成をイメージ |
セイバリングの具体的な実践方法(7つ)
方法 | 内容 |
---|---|
① 五感で味わう | 食べる・聴く・香る・触れるなど、感覚を意識して体験を深める |
② 感謝を言葉にする | 「ありがとう」「嬉しい」と声に出すことで感情を再認識する |
③ 幸せ日記をつける | その日に起きた小さな良いことを3つ書き出す |
④ 他者と共有する | 幸せな出来事を人に話すことでポジティブ感情を増幅する |
⑤ 写真・記録を残す | 美しい風景や楽しい瞬間を記録して後から味わう |
⑥ ゆっくり深呼吸する | 喜びの瞬間に呼吸を整え、感情を身体に刻む |
⑦ 自然の中で静かに過ごす | 光や風、香りを感じながら、存在そのものを味わう |
セイバリングの効果(研究より)
効果 | 内容 |
---|---|
心理的幸福の向上 | 幸福感・満足感・生きがいが高まる |
ストレス軽減 | ネガティブ感情への耐性が上がる |
社会的つながり | 感謝・共感が増え、人間関係が良好に |
創造性・集中力の向上 | 今この瞬間への没入が高まる |
睡眠の質の改善 | 穏やかな感情が入眠を助ける |
出典:Bryant, F. B., & Veroff, J. (2007). Savoring: A New Model of Positive Experience.
今日からできる3つのセイバリング
- 食事の最初の一口を、目を閉じて味わう
- 今日の「よかったこと」を3つ書き出す
- 夜、自然の音や風を感じて深呼吸する
まとめ
セイバリングとは、「幸福を味わうリテラシー」である。
セイバリングとは、「今ここにある幸福を意識的に味わう力」。
忙しさの中で忘れがちな“感謝と充足”を取り戻す習慣。
感じる力を取り戻すことが、最も確実なウェルビーイングの道です。
健康になるために・・・
観省庵式健康の定義は以下より確認ください。
自分も周りも健康になるためには?どうすればいいか考えて学習と発信をしていきます。
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