AI、クラウド、動画、検索、オンラインサービス。私たちが毎日利用するデジタル技術は、目に見えない空間に存在しているように感じられます。しかし、その便利さを支えているのは、現実の土地に建てられたデータセンターです。
データセンターを動かすためには、大量の電力が必要です。施設によっては冷却のために水を使い、新たな発電所、送電線、変電所、道路などの整備を伴うこともあります。
北海道は、冷涼な気候、再生可能エネルギーの可能性、広い土地を背景に、データセンターの立地先として注目されています。それは、北海道に新しい産業や投資をもたらす可能性があります。
一方で、北海道の水、森林、湿地、農地、自然景観は、産業誘致のための余剰資源ではありません。地域の暮らしや農林水産業を支え、多くの野生生物が生き、将来世代へ引き継がれる共有の基盤です。
施設が完成してから問題を指摘しても、土地利用や設備投資、地域の利害関係はすでに固定されています。
まだ選べるうちに影響を調べ、まだ変えられるうちに条件を整え、地域が納得して判断できるようにする。
すべてのデータセンターが、同じ影響を与えるわけではありません。
私たちが求めるのは、開発の禁止ではなく、責任ある判断です。
価値としては、自然と地域を守る。方法としては、科学的な調査と対話を重ねる。
事業者、施設規模、使用する水と電力、冷却方式、土地利用、関連インフラ、公的支援について、地域が判断できる情報を開示すること。
湿地、水源涵養地、自然林、優良農地、希少種の重要な生息地などを避け、既存の工業地や造成済み土地を優先すること。
生活、農林水産業、生態系に必要な水と電力を優先し、渇水時や需給逼迫時の対応を事前に定めること。
送電線、変電所、上下水道、道路、環境調査、撤去など、開発によって追加される費用を住民へ転嫁しないこと。
設計や立地が確定してから説明するのではなく、まだ計画を変更できる段階から住民との対話を行うこと。
税収、雇用、地域発注、排熱利用、自然保全への貢献などを具体的に定め、実施状況を継続的に検証すること。
北海道内のデータセンター計画と、それに付随する発電・送電・取水・土地開発の情報を収集します。
施設ごとの情報を「環境カルテ」として整理し、公開されている情報と、分かっていない情報を可視化します。
地域住民、農林漁業者、研究者、自治体、事業者、自然保護団体から、それぞれの知識と懸念を聞き取ります。
賛成か反対かだけを争うのではなく、何が分かっていて、何が分かっていないのかを確認できる場をつくります。
責任ある立地基準、自治体向けチェックリスト、情報公開制度、地域便益協定などを北海道と市町村へ提案します。
計画時だけでなく、建設中、稼働後、廃止まで、水・電力・騒音・自然環境・地域便益の変化を継続的に観察します。
未来を正確に予言することはできません。それでも、起こりうる影響を想定し、観察し、備えることはできます。
北海道に必要なのは、誘致の基準だけではありません。地域が差し出すものと、地域が受け取るものを、同じ場所で確認できる仕組みが必要です。
この問題は、自然保護団体だけでは解決できません。地域住民、農林漁業者、研究者、技術者、自治体、議員、企業、法律家、デザイナー、データを扱う人。そして、日々AIやクラウドを利用している私たち一人ひとりが当事者です。
設立準備中・ネットワーク形成中です。現時点では法人格のない任意のネットワークとして活動を開始しています。
調査に用いた情報源と方法を原則として公開します。分からないことは「分からない」と明示します。
資金源、支援者、利益相反の可能性を随時公開します。特定企業・団体からの資金受け入れは条件を明示します。
誤りが判明した場合は訂正し、その記録を残します。