【Podcastメモ】The Strategic Advantage of Tapping Freelancers(フリーランサーを活用する戦略的メリット)

Podcastメモ

こちらは、 Harvard Business Review ポッドキャスト「HBR On Strategy」エピソード “The Strategic Advantage of Tapping Freelancers”(2025年6月25日配信)を整理した内容です。
本エピソードでは、John Winsor と Jin Paik による フリーランサーを活用する戦略的メリット というテーマで、従来型の採用・人材配置モデルが変化している背景と、新しいタレント戦略の枠組みを紹介しています。以下、ポイントを整理します。


概要

  • デジタル技術の進展と人材需給のひっ迫を背景に、企業は「フリーランサー」「外部タレント」をプロジェクト単位で活用する戦略を見直しています。
  • 本エピソードのゲスト、John Winsor(オープン・アセンブリ創設者)と Jin Paik(AIコンサルティング企業の共同創設者)は、タレント戦略を見直すべきだという議論を展開しています。
  • 議論の中では、「タスク/スキル重視」「可変コストモデル」「外部と内部タレントの融合」といったキーワードが登場しています。

主なテーマと論点

1. なぜ従来の採用モデルでは通用しなくなってきたか

  • Winsor は、「技術の進展により、マイクロ起業家・フリーランスが世界中で増えている」と述べています。例えば、クリエイターの数が以前と比べ数十倍に増えている点を指摘。
  • また、テック人材の需給ギャップ(2030年までに8 500万の空席が出るという予測)を踏まえ、「最高の人材はフルタイム雇用されることを望まない」可能性も高いとしています。
  • 結果として、「役割(ポジション)を埋める」モデルから「タスク/スキルをマッチングする」モデルへのシフトが求められていると議論されています。

2. フリーランス活用の3本柱

Winsor/Paik は、企業が オープンタレント戦略(open talent strategy)を構築する際に、主に以下の 3 つの柱を挙げています。

  1. 外部タレントクラウド(external talent clouds)
    フリーランス・専門家プラットフォームを活用し、プロジェクトごとに必要なスキルを即時に確保する。例えば、「AI戦略を数週間で構築するために、10名のAI専門家を短期契約で集める」など。
  2. 内部タレント・マーケットプレイス(internal talent marketplaces)
    社内の「認定タスク」/「副業・兼業」/「社員の認知されていないスキル」を掘り起こし、社員をプロジェクト型で配置できるようにする。 cognitive surplus(余剰能力)を活用。
  3. オープン・イノベーション能力(open innovation capabilities)
    外部リソース(フリーランス・専門家コミュニティ)と連携し、組織内外から知見を集め、革新的な問題解決を図る。

3. 文化・制度上のチャレンジ

  • フリーランス活用を進めるには、従来の採用・HR・調達・契約の文化・制度が障壁となる場合があります。実際、ある企業では「UST がフリーランスを雇わない」という2000年代のメモが存在していたため、変革に4 ヶ月を要したという例も紹介されています。
  • また、「これは単にフリーランスを雇えばいい」という誤解もあり、Fllianc Paik は「戦略的に設計されたタレント活用でなければ、断片的なプロジェクト実行に終わる」と述べています。
  • さらに、社内での認知・報酬・キャリア構造との関係も重要で、「外部タレントが入ること=社内の価値が下がる」といった心理的抵抗が起こることもあります。

4. 実践のためのチェックポイント

  • タスク重視で考える:ポジションではなく「この100個のタスクを完了せよ」という視点で外部/内部を割り当てると、スピード・効率が格段に上がるという実例あり。
  • 固定費から変動費へ:人材を固定で抱えるのではなく、必要なときに必要なスキルを契約・活用できる体制を整えること。Winsor は「社員は仕事してるのが平均35 %しかないが、フリーランサーは8時間契約で8時間働く」と述べています。
  • 学習する人材を選ぶ:フリーランサーは自己研鑽に時間を割く割合が高く(例:平均15%)という指摘があり、変化の速い領域ではこういった人材を選好すべき。
  • 小さく試し、学ぶ:レガシー兼ねるプロジェクト/複雑な技術基盤には即座の外部活用が難しいため、まず社内マイクロプロジェクトからスタートし、実績を作ることが肝要です。

まとめ:活用に向けたメッセージ

  • 従来の「フルタイム社員+長期雇用+ポジション固有」の人材モデルは、技術革新・市場変化のスピードという意味で限界を迎えている。
  • 企業は「タスク/スキルを軸に、変動性のある人材ネットワークを活用する」ことで、競争優位性を高めうる。
  • ただし、それは単なる「外注」「派遣」「フリーランス活用」ではなく、 戦略的・制度的・文化的に設計されたオープンタレントモデル が鍵。
  • まずは「このタスクを社内では賄えない/効率化できるか」を問い、「外部/内部どちらで」「どう学習・蓄積するか」を設計して、小さく試し、社内抵抗・制度課題をクリアしながら拡大すべき。
  • 最後に、リーダーとしては「変化を歓迎する文化」「タレントを役割ではなく成果で評価する文化」「社員とフリーランサーを統合的にマネジメントする土台」を作る必要があります。

参考記事

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