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エネルギー危機と需要コントロール。国際エネルギー機関(IEA)が提示した需要側の10の対策

金銭的健康
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サプライチェーン上流の影響は、下流工程に連鎖的に波及し、影響は段階的に拡大する

現在の中東情勢を踏まえると、世界経済はコロナ禍以上の不確実性に直面しています。これまでのグローバル経済は、「最適なものを最適な場所で生産する」という思想のもと、効率性を追求したサプライチェーンによって支えられてきました。しかし、この構造は一部が毀損すると、連鎖的に影響が拡大するという脆弱性も併せ持っています。

用語解説
サプライチェーンとは、「最終需要者に商品供給するための、材料調達から商品納入までの『もの』を中心とした業務連鎖」を指します。
日本能率協会コンサルティング

図引用:デジタル時代におけるグローバルサプライチェーン高度化研究会サプライチェーンデータ共有・連携 WG 経済産業省

上記の図でいうグローバル×中長期リスク(5年-10年以内)の領域として挙げられているエネルギー高騰が、戦争による影響で中長期の話ではなく、今数ヶ月先に向かっているという認識を持たれたほうがいいです。

今起きている事象は、グローバルサプライチェーンの起点ともいえるエネルギー領域における供給制約です。供給の上流で問題が発生すると、その影響は下流に向かって段階的に拡大し、結果として経済全体に波及します。また、この影響は即時に顕在化するのではなく、数ヶ月のタイムラグを伴って体感されるケースが一般的です。そのため、事前に情報を把握し、対応策を講じることが重要となります。

どのように立ち振る舞うべきか国際エネルギー機関(International Energy Agency)が提唱していますので紹介します。

参考:IEAとは?日本にとってのIEAの意義
外務省の記事によると、以下が挙げられています。

  • 石油供給の大半を外国に依存する日本は、供給途絶の際、IEAの緊急時対応システムにより裨益するところが大きく、IEAは日本のエネルギー安全保障上、極めて重要。
  • エネルギー政策全般にわたる知見で高い国際的評価を得ているIEAは、知識ベースとして、また、意見交換の場として重要。
  • 4~5年毎に実施される国別詳細審査等を通じてIEAが行う政策提言は、我が国のエネルギー政策にとって有益なインプットとなり得る。
  • 日本は、IEA諸活動に積極的に参加しており、日本の分担金分担率は米国に次ぎ第2位(2021年、13.068%)。なお、IEAの正規職員約350名のうち邦人職員は13名(2023年8月現在)。
Access Denied

日本としても重要視している機関ということがわかります。本稿では、その国際エネルギー機関が提示した需要側対策について整理します。その前提として、まずは需要と供給の基本構造を確認します。

需要と供給、そしてフィリップス曲線

中東情勢や原油価格の変動を正しく理解するためには、まず「需要と供給」という基本構造を押さえる必要があります。

需要と供給の基本構造

市場は以下の2つの要素によって成立しています。

  • 需要(Demand):消費者や企業が購入したい量
  • 供給(Supply):企業や産業が提供できる量

価格は、この需要と供給のバランスによって決定されます。通常は、価格が上昇すると需要は減少し、供給は増加することで市場は均衡に向かいます。しかし、現実の経済ではこの調整がスムーズに機能しないケースが存在します。

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供給ショックがもたらす影響

中東情勢の不安定化などにより、石油供給が制約を受けると、供給曲線は左方にシフトします。その結果として、

  • エネルギー価格の上昇
  • 企業のコスト増加
  • 家計の実質購買力の低下

といった影響が同時に発生します。この局面では、価格上昇が経済全体の余力を削る方向に働きます。

需要破壊という現象

価格上昇が一定水準を超えると、消費行動そのものが抑制されます。具体的には、

  • ガソリン価格の上昇による移動の抑制
  • 電力・燃料コスト上昇による消費支出の削減

といった形で、需要が自然に縮小します。このように、価格上昇が需要そのものを減少させる現象は、経済学では「需要破壊(Demand Destruction)」と呼ばれます。需要破壊が進行すると、企業収益の悪化や雇用の減少を通じて景気後退に波及します。

用語解説

In economics, demand destruction refers to a permanent or sustained decline in the demand for a certain good in response to persistent high prices or limited supply. Because of persistent high prices, consumers may decide that it is not worth purchasing as much of that good, or seek out alternatives as substitutes.

Demand destruction is most often associated with the demand for oil or other energy commodities.

翻訳(DeepL)
経済学において、「需要の破壊」とは、価格の高止まりや供給の逼迫を受けて、特定の財に対する需要が恒久的または持続的に減少することを指す。価格が高止まりしているため、消費者はその財を以前ほど購入する価値がないと判断したり、代替品を探したりすることがある。需要の破壊は、石油やその他のエネルギー商品に対する需要に関連して最もよく見られる。

https://www.investopedia.com/demand-destruction-5222107

フィリップス曲線の限界

ここで重要となるのが、フィリップス曲線です。フィリップス曲線は、以下の関係性を示す概念です。

  • インフレ率が高い局面では、失業率は低い傾向
  • 失業率が高い局面では、インフレ率は低い傾向

これは、需要主導型の経済において成立しやすい関係です。

用語解説

失業率をグラフの横軸に、賃金上昇率を縦軸にとって関係を描くと、賃金が上がる(下がる)ほど失業率が下がる(上がる)右肩下がりの曲線が描けることを、1950年代に英経済学者が提唱。その名前を冠した曲線。
縦軸の賃金上昇率に代えて物価上昇率(インフレ率)を取り、横軸の失業率の関係をグラフにすると同様の右肩下がりの曲線になる。中央銀行が景気動向(失業率)を考慮しながら、金融政策でインフレ率をコントロールする際の判断材料として参考にするが、デフレ下でも失業率が低下したり、インフレ下での不況(失業率の増大)というスタグフレーションの場合もあり、右肩下がりのフィリップス曲線では説明がつかない経済事象も起こっている。

参考:フィリップス曲線 野村證券

不況というのは失業率を重要視します。インフレ局面では失業率は低い傾向ですが、スタグフレーション化ではフィリップ曲線で説明がつかない状態になります。

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・インフレ→物価上昇+需要減=スタグフレーション→失業増→自殺者

特集失業研究の今:不況・失業と自殺の関係についての一考察
↓↓
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2010/05/pdf/058-066.pdf

供給ショック下での構造変化

しかし、エネルギー価格の急騰のような供給ショックが発生すると、この関係は崩れます。

実際には、

  • 物価は上昇する(インフレ)
  • 経済活動は停滞する(景気悪化・失業増加)

という状態が同時に発生します。この現象は「スタグフレーション(Stagflation)」と呼ばれ、通常の経済理論では説明が難しい特殊な局面です。

スタグフレーションとは、景気が後退していく中でインフレーション(インフレ、物価上昇)が同時進行する現象のことをいいます。この名称は、景気停滞を意味する「スタグネーション(Stagnation)」と「インフレーション(Inflation)」を組み合わせた合成語です。通常、景気の停滞は、需要が落ち込むことからデフレ(物価下落)要因となりますが、原油価格の高騰等、原材料や素材関連の価格上昇等によって不景気の中でも物価が上昇することがあります。これが、スタグフレーションです。景気後退で賃金が上がらないにもかかわらず物価が上昇する状況は、生活者にとって極めて厳しい経済状況といえます。わが国では、1970年代のオイルショック後にこの状態となっていました。
参考:スタグフレーション SMBC日興証券

IEAの需要対策の位置づけ

このような環境下では、供給側の調整には時間がかかるため、短期的には需要側のコントロールが重要となります。

需要を放置した場合、

  • 急激な需要縮小
  • 景気の急落

が発生する可能性があります。

一方で、段階的に需要を抑制することで、

  • 市場の急激な混乱を回避
  • 経済へのダメージを分散

することが可能になります。IEAが提示した対策は、この「管理された需要調整」を目的としたものです。下記に需要削減のための即時対策を引用します。

需要削減のための即時対策

Immediate actions to reduce demand:

1. Work from home where possible
Displaces oil use from commuting, particularly where jobs are suitable for remote work.

2. Reduce highway speed limits by at least 10 km/h
Lower speeds reduce fuel use for passenger cars, vans and trucks.

3. Encourage public transport
A shift from private cars to buses and trains can quickly reduce oil demand.

4. Alternate private car access to roads in large cities on different days
Number-plate rotation schemes can reduce congestion and fuel-intensive driving.

5. Increase car sharing and adopt efficient driving practices
Higher car occupancy and eco-driving can lower fuel consumption quickly.

6. Efficient driving for road commercial vehicles and delivery of goods
Better driving practices, vehicle maintenance and load optimisation can cut diesel use.

7. Divert LPG use from transport
Shifting bi-fuel and converted vehicles from LPG to gasoline can preserve LPG for cooking and other essential needs.

8. Avoid air travel where alternative options exist
Reducing business flights can quickly ease pressure on jet fuel markets.

9. Where possible, switch to other modern cooking solutions
Encouraging electric cooking and other modern options can reduce reliance on LPG.

10. Leverage flexibility with petrochemical feedstocks and implement short-term efficiency and maintenance measures
Industry can help free up LPG for essential uses while reducing oil consumption through quick operational improvements.

訳:

1. 可能な限り在宅勤務を行う
特にリモートワークに適した仕事の場合、通勤による石油の使用を削減できる。

2. 高速道路の制限速度を少なくとも10km/h引き下げる。
速度を落とすと、乗用車、バン、トラックの燃料消費量が削減される。

3.公共交通機関の利用を促進する。
自家用車からバスや電車への移行は、石油需要を急速に削減することができる。

4. 大都市における自家用車の道路へのアクセスを曜日ごとに交互に行う。
ナンバープレートのローテーション制度は、渋滞や燃料消費量の多い運転を軽減できる。

5. カーシェアリングを増やし、効率的な運転方法を採用する。
車の乗車率を高め、エコ運転をすることで、燃料消費量を迅速に削減できます。

6. 道路商用車の効率的な運転と商品の配送
より良い運転方法、車両のメンテナンス、積載量の最適化により、ディーゼル燃料の使用量を削減できます。

7. LPGの使用を輸送から
転用する バイフューエル車や改造車をLPGからガソリンに切り替えることで、調理やその他の生活必需品のためにLPGを節約できます。

8. 代替手段がある場合は航空旅行を避ける
ビジネスフライトを減らすことで、ジェット燃料市場への圧力を迅速に緩和できます。

9. 可能な限り、他の現代的な調理方法に切り替えましょう。
電気調理やその他の現代的な選択肢を奨励することで、LPGへの依存を減らすことができます。

10. 石油化学原料の柔軟性を活用し、短期的な効率化とメンテナンス対策を実施する
業界は、迅速な運用改善を通じて石油消費量を削減しながら、LPGを重要な用途に解放することに貢献できる。

こういった需要側の対策も必要です。一方で、日本政府では不安鎮静化の意図でしょうが、ガソリンの補助金を出し国民にいままで通りの生活を進めています。

本来は、事実を的確に共有し、的確な行動を促すことを行うべきです。経団連にもリモートの推奨を通じて必要のないエネルギーの消費を控えるのが重要です。

「今まで通り」というのは、脆い前提にたっている話です。今起きている事象はすぐに回復することがないので、数年単位で冬の時代に入ります。結局数ヶ月先には、「今まで通り」が通じなくなります。今のうちから、新たな生活スタイルに対応しておくことをおすすめします。

今起きている事象まとめ

空にも影響が。

化学業界、エチレン減産広がる 日用品の値上げ懸念 | NEWSjp
化学業界で、プラスチック製品に使うエチレンの生産を減らす動きが広がっている。米国とイスラエルによるイ...

化学業界で、プラスチック製品に使うエチレンの生産を減らす動きが広がっている。米国とイスラエルによるイランへの攻撃で、原料であるナフサの調達不安が高まったためだ。減産が長引けば、数カ月後には日用品の値上げが相次ぎ、家計負担が増す懸念がある。

 エチレンは原油から精製されたナフサを熱分解して作られる。石油化学工業協会によると、ナフサは2024年時点で約6割を輸入に頼り、そのうち約7割を中東が占める。イラン情勢悪化の影響は避けられない。三菱ケミカル、三井化学、出光興産も減産を始めた。

上記にも数ヶ月後には日用品の値上げが指摘されています。原料が高くなり、物流コストも高くなれば、値段が高くなるのは避けられません。

中東紛争で「記録的な飢餓」の恐れ、新たに4500万人が危機 WFP警告

エラー

南アジアと東南アジアで使用される農業用肥料の半分以上は窒素系肥料。これらの地域では、ほとんどの肥料に用いられる尿素の不足に直面している。ローウィ国際政策研究所のロバート・ウォーカー研究員はそう述べた。

戦略国際問題研究所(CSIS)によると、世界の尿素供給量の約35%がホルムズ海峡を通過する。中国政府は公式に確認していないが、ロイター通信は情報筋の話として、中国が国内市場を守るために肥料輸出を抑制していると報じた。このことは、すでに戦争による供給不足に見舞われている世界市場に追い打ちとなるだろう。

オーストラリアは輸送燃料の約90%を輸入に頼っているため、酪農家協会のベン・ベネット会長は、同国の酪農家からも懸念があがっていると述べた。

トランプによるゲリラの戦争が、飢えを引き起こし、その飢えに耐えあぐんだ人たちが、窃盗や争いを起こします。戦争は次の争いを生みます。一

これらは実際に起こっている事実です。事実を元に解釈をして、行動をしていく必要があります。
コンサルタントが使うフレームワークです。

https://kanseian.earth/the-consultants-tool-kit/framework/

最新情報:交渉の条件次第ですが、ホルムズ海峡で日本船の通過「認める用意」とのこと。

https://x.com/kanseian_/status/2035156682771501126?s=20

個人による外部環境への適応は?

外的な影響は1個人がなんとかできるもではないので、自らの行動を変容させるほかありません。

私も車が必須な北国なのでどうしたものかと考えております。農園までは車では10分圏内なのですが、歩けば約1時間の距離です。しかし行動を変える決断をしました。すでに、できる限り農園までの通勤を歩きに変えるなどウォーミングアップを初めています。晴れの日は歩きで通園です。

しかし、さすが北海道。道中はタンチョウ、ヤマセミ、クマゲラ、シマエナガ、キツネなどに出会えて楽しく通園しています。歩数もあがり、健康的です。体重も減ってきました。車が通らない田舎の裏道を本を持って歩くので毎日1冊本が読めそうだと捉えています

薪を背負って読書に勤しむ。二宮金次郎スタイルです。

参考:二宮金次郎:よみがえる日本資本主義の「祖父」

エネルギーの制約という一見ネガティブな要因も、視点を変えることで新たな価値創出につながる可能性があります。重要なのは、環境変化に対して受動的に対応するのではなく、自らの行動を再設計することです。誰かに制約されて行動を変えるのではなく、自ら変えることで事前に予測して行動をしていくことが精神の安定を作ります。先を読むことの大切さは下記にまとめてみました。

何事も負の側面があれば良い側面もあります。できる限り悲観的に考えつつも、楽観的でいましょう。IEAの提言は国家レベルの施策ですが、その本質は「需要の調整」にあります。この考え方は、個人の生活や企業活動にもそのまま応用可能です。制約が強まる時代においては、単なる効率化ではなく、構造そのものを見直すことが求められます。

まとめ

本テーマの理解において重要なポイントは以下の通りです。

  • 市場は需要と供給のバランスで成り立つ
  • 供給ショックは価格上昇と購買力低下を同時に引き起こす
  • 価格上昇は需要破壊を通じて景気後退につながる
  • フィリップス曲線は供給ショック下では機能しない
  • そのため、意図的な需要コントロールが政策として重要になる

この前提を踏まえることで、IEAの提言は単なる節約ではなく、マクロ経済の安定化を目的とした戦略的施策として理解することができます。

今後コロナ禍と似たような「計画的消費」みたいなケースもあると思います。エネルギーが足りないのではなく、私たちの使い方が問い直されています。これまでの社会は、速さと効率を追い求め、最適な場所で、最適なものを手に入れることを前提に動いてきました。しかし、その前提が揺らいだとき、私たちは気づき始めます。本当に必要なものは何か。どこまでが過剰だったのか。コロナ禍はその予習であり、これからが本番ということかもしれません。意識レベルを変えて対策していきましょう。

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