今年のW杯が終わって記憶が新しいうちに記載します。
W杯のサッカー代表を想像してみてください。スター選手を集めれば、必ず強いチームになるでしょうか。
個々の能力を足せば「100」のチームでも、連携が悪く、役割が曖昧で、心理的に萎縮していれば、試合で出せる力は「60」かもしれません。一方で、個々の能力を足して「60」のチームでも、お互いの強みを理解し、役割が明確で、信頼してプレーできれば、実戦では「65」の力を発揮することがあります。
能力100 × 発揮率60% = 組織力60
能力60 × 発揮率108% = 組織力65
つまり、組織づくりで考えるべきなのは、「もっと優秀な人を採用すること」だけではなく、「今いる人の力を、どれだけ引き出せているか」ではないでしょうか。
採用の前に、一度問い直してみる。
「この会社は、社員の能力を足した数字より、強い組織になっているだろうか?」
観省庵が見るのは「100と60の間」です。観省庵のコンサルティングでは、企業が持っている力と、実際に発揮されている力の「差」に注目します。
なぜ、100あるはずの力が60しか発揮されていないのか。そこには、個人の能力だけでは説明できないものがあります。
情報がうまく共有されていない。
役割や目的が曖昧になっている。
部門同士が分断されている。
現場の声が意思決定に届いていない。
データはあるのに、活用されていない。
日々の業務に追われ、振り返る時間がない。
こうした組織の中にある「力を発揮しづらくしているもの」を、まず丁寧に観察します。
観察 → 省察 → 実践
観省庵という名前には、「観察」と「省察」という考え方があります。
まず、現場・顧客・データを観察する。そこから「なぜ、こうなっているのだろう?」と立ち止まり、組織の皆さんと一緒に省察する。
そして、見えてきた課題に対して、小さく実践する。その結果をまた観察し、次の改善につなげていく。
観察 → 省察 → 実践 → フィードバック
この循環を回していくことで、外部のコンサルタントが正解を与え続けなくても、自分たちで課題に気づき、考え、改善できる組織を目指します。
「足りないものを足す」前に、「すでにあるものを見る」人が足りないから、採用する。
成果が出ないから、新しいツールを入れる。
データが足りないから、新しいシステムを導入する。
もちろん、それらが必要なこともあります。しかし、その前に私たちは問いかけます。
「今あるものを、本当に活かし切れているでしょうか?」
100の力を持つ組織が60しか出せていないのであれば、さらに20を外から足す前に、失われている40を見る。逆に、60しかないと思っていた組織でも、関係性や仕組みを変えることで、65、70へと力を引き出せるかもしれない。
新しいものを足すことだけが、成長ではありません。
すでに会社の中にいる人。
蓄積されているデータ。
顧客から届いている声。
現場が持っている経験や知恵。
それらをもう一度「観る」ことから始める。その会社が、すでに持っている力を発揮できる状態をつくる。
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