【聴講メモあり】メーカーECの再定義~ブランド資産を武器に変える挑戦

マーケティング

BBTアルムナイ12025年7月講義の一つを試聴しました。

講師:本間 充先生
ゲスト:細川和紀さん
アシスタント:谷口 菜月さん

健康直送便のご紹介(売上)

健康直送便は、カゴメのECサイトです。

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基礎情報

2017年に売上100億円を突破。単品リピート型の通販モデルで成長

24年売上実績:135億円

年間の出荷顧客数:約60万(内定期19.5万人)

オンライン会員比率:48%

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このECサイトですが、一人の開発者の熱い想いから始まったものとのこと。

ロットは少なかった特別なトマトジュースはあっという間に売り切れ。

そして「来年は?」という嬉しい問い合わせがあり、「お店では買えない特別なカゴメ」をコンセプトにカゴメ直送便がスタート

お客様の特徴:アクティブシニア

店頭は40代、ECは、アクティブシニア層から指示。アクティブシニア(=趣味や地域活動などを通じて交友関係も広く、人生を充実させるために前向きに活動するシニア)

健康直送便の全社における役割

・自社通販:・ お客様直接、繋がれることを強みに、「農」を中心価値として、高付加価値の商品や情報を提供する

・ECモール(セラー出店): 自社ではリーチできない。顧客が注文まで至らなかった顧客の受け皿。モールごとの特徴があるためどのように付き合うかは社内でも声があがっている。

この使い分けは、重要ですね。

タッチポイント別の課題

どこが特に大変か。

ファンサイト・SNS:推奨の行動をどのように作っていいくか?

それに対してどのように対応しているか?

実際にお客様にお会いして、どういう情報をお伝えすると誰かに話したくなるのか?

推奨行動していただいた方に、アクション(SNSでの反応など)するようにしている。

コンテンツサイト『けんちょくのある暮らし

「Farm to Life」の考えのもと、商品ストーリーやお役立ちコンテンツを発信。事業の理解促進や情報発信機会創出に活用。

・社内インタビュー

・外部コラボ記事

・アレンジレシピ

など。

これまでは、機能軸での説明しかできなかった。広告でも同様。

初速でいうと想像よりも多く見られている。消費者も、スペック以上に作り手の想いや理念を知りたがっている。実際に農家の方に会うとポジティブな声があがっている。

ファンコミュニティ『&KAGOME』

・ファンのことを知り、ファンに伝え、ファンと一緒に体験するファンコミュニティサイト。双方向の対話や体験を通じて「共」に「創り」あげる場所

・会員数:約7万人

野菜生活ファーム富士見

・収穫体験やVRを使った工場見学、地元野菜を使った食事を楽しむことができる観光施設

・畑の周りでは、鳥や昆虫、草花に関するクイズラリーを楽しむことができる

イベント:座談会、工場見学

実際のお客様と触れ合う機会を年複数回実施。お客様を知る貴重な機会に。

利用者同士のつながりを作る場としても活用。

ECでは見えない、消費者同士のつながり。先輩消費者がローモデルになる。★

メーカー通販が抱える課題

・各種コストによる収益の悪化

・振興D2Cへの対応(求められるのはメーカーECではなく、メーカーD2C)

・人材獲得・育成

展望

・コーポレートブランド資産の活用による、自社通販強化と全社貢献

・自社通販×ECモールのシナジー創出

・商品⇔生活者という関係からの拡張(人と社会と農のつながりへ)

メーカー通販従事者として大切にしたいこと

商品×情報を直接お客様に提供できる自社通販の強みを活かすため、広い視点をもって業務に携わることを大切にしたい。

★会社の過去・現在を理解する(コーポレート資産の理解)
★会社全体を意識して企画を考える(コーポレートブランド資産の活用)

→新興EC等との差別化は、こういった文化や歴史ですね。

最後に:AIエージェントが広まった先を見る

商品の検索軸が分かれていく。価格軸と品質軸検索。

AI検索は複数の条件で検索されることがわかっている

価格だけの比較だけならば価格コムなどで十分

AI検索時代に必要なのは、ストーリー

ECはスペックではなく、コンテンツドリブン。信頼・信用に値する商品があるか?が必要

相対するのが人ではない時代がくるため、それに備えたコンテンツ作りも重要

→商品作りだけではなく、コンテクスト(文脈)を意識した情報も蓄積していくことが大切ですね。

脚注

  1. BBTアルムナイサービスとは、卒業生を対象に、継続的に学べる環境をご提供するためにスタートした会員制サービスです。 ↩︎

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