生物多様性を守る鍵は、保護区の外にもある
自然保護というと、
- 国立公園
- 世界遺産
- 保護区
などが注目されます。しかし、生きものの多くは保護区だけで暮らしているわけではありません。
田畑。牧草地。果樹園。里山。
人が利用する土地も、生物多様性を支える大切な場所です。
6月25日、IUCNとEU Green Weekの関連イベントでは、
「農業政策と生物多様性をどう両立するか」
が重要なテーマとして議論されました。研究者たちは、気候変動への適応だけでなく、生物多様性を回復させる農業への転換が必要だと提言しています。
1. 自然保護は保護区だけでは完結しない
世界の多くの生きものは、保護区の外でも暮らしています。
例えば、
- 花粉を運ぶ野生の蜂
- 草地に暮らすチョウ
- 農地で餌を探す野鳥
などは、人の営みと隣り合わせで生きています。だからこそ、自然保護は「守る場所」を増やすだけではなく、
「暮らしの中に自然を残すこと」も重要になっています。
2. 農業は生物多様性を支えることもできる
近年、「ネイチャーポジティブ農業」という考え方が広がっています。
例えば、
- 農薬を必要最小限にする
- 花が咲く畦や草地を残す
- 土壌を裸地にしない
- 多様な作物を育てる
といった管理は、送粉昆虫や土壌生物、小鳥の生息環境を改善することにつながります。農業は自然を利用する営みですが、工夫次第では自然を育てる営みにもなり得るのです。
3. 果樹園も小さな生態系になる
果樹園は、果実を収穫する場所であると同時に、
- 土壌微生物
- 地中性の蜂
- チョウ
- 野鳥
など、多くの命が関わる生態系でもあります。花が咲く時期には送粉者が訪れ、夏には昆虫を求めて鳥が集まり、秋には落ち葉が土へ還ります。一本の果樹を育てることは、一本の木を育てることではなく、その木を中心とした小さな生態系を育てることなのかもしれません。
私が関わる果樹園&カフェでは、この生態系を意識できる価値を伝えていきたいと思います。
WEBサイトを公開しましたのでよければご覧ください。
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観省庵の視点
自然と人は、対立する存在ではありません。人の営みが自然を壊すこともあれば、人の営みが自然を豊かにすることもあります。大切なのは、自然を利用するかどうかではなく、次の世代にも豊かな命のつながりを残せる営みになっているかではないでしょうか。
今日の省察
私たちは、「自然を守る場所」と「人が暮らす場所」を分けて考えがちです。しかし本当は、暮らしの中にこそ自然があり、自然の中にこそ暮らしがあります。身近な畑や果樹園もまた、未来の生物多様性を育てる場所になれるのかもしれません。
明日への問い
私の身近な土地は、命を育む場所になっているだろうか。それとも、人のためだけの場所になっているだろうか。
参考文献
- IUCN
EU Green Week 2026 – IUCN Partner Events
https://iucn.org/news/202605/eu-green-week-2026-iucn-partner-events - IUCN Programme 2026–2029(淡水・農業・生物多様性の重点分野)
