この記事のゴール
- Googleアルゴリズムの基本構造と変遷を理解する
- 検索エンジンが重視する“価値あるコンテンツ”とは何かを知る
- 今後のSEO施策の考え方の軸を持つ
- “順位を上げるため”ではなく、“ユーザーの課題を解決する”ための思考を育てる
アイスブレイク:「あなたは普段どんな検索をしていますか?」
問い:
- 今日来る前に「Google検索」を使いましたか?
- 検索したワードを思い出してみてください。
- なぜそのワードで検索しましたか?
- クリックしたのは上から何番目のページでしたか?
ありがとうございます。この検索に関する仕組みの概要を見てみましょう。
Googleアルゴリズムとは?
定義:
Googleアルゴリズムとは、検索ユーザーに最も適切な情報を提供するために、数百の評価基準をもとにWebページを自動でランク付け(順位づけ)する仕組みです。
主な目的:
- 検索意図に合ったページを上位表示する
- スパムや信頼性のないサイトを除外する
- ユーザー体験を向上させる
そもそもアルゴリズムとは?ある結果を出す手順です。
なので、Googleの検索アルゴリズムとは、「Googleが検索結果を出すための手順」
この手順ですが部分的にほぼ毎日アップデートがされており、大きなアップデートはコアアルゴリズムアップデートと呼ばれます。
コアアップデートは3ヶ月に1回ほどのペースで事前に告知され、2週間ほどでロールアウトします。
Googleには200を超える検索アルゴリズムが存在し、それぞれが最適な検索結果を返すために連携。
非常に複雑で、その正確な仕組みは公開されていません。
Googleの根本思想を知る
Googleのミッション:
“世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすること。”
その思想のもとにある考え方:
- ユーザー第一主義(User-first)
- 情報の品質・信頼性・透明性の重視
- 速さ・正確さ・関連性の追求
SEOは「Googleを攻略する」ものではなく、ユーザーに価値を提供する活動であるべきということがわかります。
参考:Googleが掲げる10の真実
- 会社設立から数年後に掲げた10の真実を今も掲げている。
- 常にユーザーファースト。検索の進化もこれからは外れることはないでしょう。
特に10の真実のうち大事なのが1番だと思います。
「ユーザに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」の箇所です。

Google検索エンジンの仕組み
前提:検索と人間の対話を円滑にしているのが検索エンジン
- Googleはクエリ(Input)に対して結果(Output)だけを返しているのではなく、対話(dialogue)をしている。
- Googleの魔法の源は「ユーザーとの双方向の対話」です。
- なぜGoogleを皆が使うのでしょうか?それは、回答の精度が高いということでしょう。
- ではどのように回答の精度を高めているか?それが「ユーザとの双方向の対話」です。
参考:Google is Magical
対話に至るまでの仕組み
Googleの検索エンジンは、大きく「検出」「クロール」「インデックス」「ランキング」の4つの仕組みで検索順位を決定しています。
※検索アルゴリズムが影響するのは、主に「ランキング」です。そもそもインデックスされていないページは検索結果に表示されないため、検索アルゴリズム対策の前にインデックス(Googleのデータベースに格納される)対策が欠かせません。
- 検出
- URLを見つける
- URLを見つけるためにはWEB上にサーバーを借りてドメイン上でページ公開をしておく必要があります
- URLを見つける
- クロール(Crawling)
- Googleのbotが見つけたURLのページを見に行きデータを収集
- インデックス(Indexing)
- 収集した情報をGoogleのデータベースに整理・登録
- ランキング(Ranking)
- ユーザーの検索クエリに応じて、インデックス内のページを評価・順位付けし検索結果表示
このランキング時に評価されるポイントには、主に以下が含まれます:
- コンテンツの質・網羅性・信頼性(E-E-A-T)
- ページ表示速度・モバイル対応
- 外部リンク(被リンク)の信頼度
- ユーザーの行動指標(クリック率、直帰率など)
経験的には、やはりEEATの要素を意識したコンテンツを投稿すると上位に上がりやすいと思います。
アカデミックの学術論文同様、体系的であり、専門性があり、権威性のある人が執筆し、他サイトから引用されているものは信頼されているものと評価されるのと似ています。
クエリに対して返される結果の判断にかかわる主な要因は以下5つです。
Googleアルゴリズムに関係する5つの主要な要素
要素名 | 内容(判断の観点) |
---|---|
検索クエリのタイプ | 検索クエリの背後にある意図(情報収集・購入・比較など)を理解する。 |
検索クエリとページの関連性 | 検索キーワードがコンテンツ内に含まれているか、関連性が高いか。 |
コンテンツの質 | 専門性・権威性・信頼性(E-E-A-T)を備えたコンテンツであるか。 |
ユーザビリティ | モバイル対応、表示速度、視認性など、アクセスしやすい設計か。 |
コンテキストと設定 | ユーザーの現在地、検索履歴、言語・端末設定などの個別情報を加味した最適な結果を提供するか。 |
参考:https://www.google.com/search/howsearchworks/how-search-works/ranking-results/
Googleが暗にユーザに投げかけている質問
10本の青いリンクはユーザーに「どの結果が一番いい?」と暗に質問します。
タイトルとスニペットからなるプレビューはユーザーが答えるための背景情報です。
ユーザーはクリックすることでGoogleの質問に答えます。
Googleコアアルゴリズムの変遷と今
Google検索アルゴリズム主要アップデート年表(2000~2025)
下記はChatGPTのDeepResearchを使ってまとめています。
アルゴリズムアップデートまとめ
年月(実施時期) | アップデート英語名 | アップデート日本語名 | アップデートの内容(概要) |
---|---|---|---|
2000年12月 | Google Toolbar (PageRank) | Googleツールバー(ページランク) | 概要: Googleがブラウザ向けツールバーを公開し、ページランク(PageRank)スコアを視覚化しましたamericaneagle.com。これによりウェブページの権威性指標であるPageRankが一般ユーザーにも認知され、SEOでも重要視されるようになりました。 |
2003年7月 | Fritz Update | Fritz(フリッツ)アップデート | 概要: 月次更新だった「Google Dance」に代わり、検索インデックスを連続更新する体制に移行したアップデートです。これによりGoogleは**毎日少しずつ順位変動する「Everflux」**状態となり、SEO担当者は継続的な対策とモニタリングが必要になりましたamericaneagle.com。 |
2003年11月 | Florida Update | フロリダアップデート | 概要: 初の大規模アルゴリズム更新です。不自然なキーワード詰め込みや無関係なリンクなど旧来のスパム的SEO手法が通用しなくなり、多くのサイト順位が大変動しましたamericaneagle.com。この更新によりコンテンツの質と関連性の重要性が一気に高まり、従来の手法からの転換点となりましたamericaneagle.com。 |
2004年1月 | Austin Update | オースティンアップデート | 概要: フロリダでの対策を拡張した更新で、隠しテキストやメタタグ詰め込みなど残存するスパム的なオンページSEO手法をさらに取り締まりましたamericaneagle.com。また、コンテンツの関連性やユーザー体験がより評価されるようになり、検索品質の向上が図られました。 |
2004年2月 | Brandy Update | ブランディアップデート | 概要: インデックス大規模拡張と語義の理解向上が行われたアップデートです。Googleは同義語や潜在的語彙(LSI)の理解を深め、関連語句を考慮して検索結果を提供できるようになりましたamericaneagle.com。またアンカーテキストの重要度も増し、包括的な内容と自然な被リンクがより評価されるよう改善されましたamericaneagle.com。 |
2005年5月 | Bourbon Update | バーボンアップデート | 概要: 約3週間にわたり段階的に実施された品質改善アップデートです。Google社員(GoogleGuy)は「3.5個の品質改善」と述べており、一部は重複コンテンツや正規でないURLの扱い改善だったとされていますsearchengineland.com。この更新で重複ページの評価方法が調整され、より適切なインデックス形成が図られました。 |
2005年10~11月 | Jagger Update (1.0~3.0) | ジャガーアップデート | 概要: 3段階で実施されたリンク品質に関する大型アップデートですsearchengineland.com。相互リンク、リンクファーム、買収リンクといった低品質リンク手法を標的にし、不自然な被リンクを張るサイトの順位を下げる措置が取られましたsearchengineland.com。これにより外部リンク評価が厳格化され、リンクスパム対策が強化されました。 |
2005年12月~2006年3月 | Big Daddy (Infrastructure) | ビッグダディ(インフラ更新) | 概要: Googleのクローリング・インデックス基盤の大規模アップグレードですsearchengineland.com。URL正規化や302リダイレクト問題の解消など裏側の仕組みが刷新され、2006年3月に完全導入されました。ランキングアルゴリズム自体の変更ではありませんが、より効率的なクロールとインデックスで検索結果の鮮度と質を向上させる土台となりましたsearchengineland.com。 |
2007年10月 | PageRank Update (Link Spam) | ページランクアップデート(リンク対策) | 概要: 有料リンク対策のためのPageRankスコア更新です。Googleはリンク販売を行うサイトのPageRankを人為的に引き下げ、悪質な場合はインデックス除外や順位ペナルティも科しましたsearchengineland.com。この措置により、検索順位操作目的の被リンク売買を抑制し、自然なリンク評価の健全性維持が図られましたsearchengineland.com。 |
2008年3月 | Dewey Update | デューイアップデート | 概要: 2008年春に検索結果の**大幅なシャッフル(順位変動)が発生したアップデートですsearchengineland.com。具体的内容は不透明でしたが、当時Matt Cuttsはウェブマスターに変動例の報告を求め、その際に「Dewey」**というキーワードをレポートに含めるよう指示しましたsearchengineland.com。これにより本更新は「デューイ」と呼ばれ、大規模な順位再評価が行われたと考えられています。 |
2009年2月 | Vince Update (Brand Update) | ヴィンスアップデート(ブランド) | 概要: 大手ブランドサイトが検索上位に出やすくなったアップデートですsearchengineland.com。一般語のクエリで有名ブランドが優遇される傾向が見られ、Googleは信頼性・品質・PageRankなどの指標を総合的に評価し始めたと説明しましたsearchengineland.com。長尾キーワードには影響しないとされ、権威あるサイトを優遇して検索品質を高める意図があったとされています。 |
2010年4~5月 | May Day Update | メイデーアップデート | 概要: ロングテールクエリ(長尾語句)の検索結果精度を改善したアップデートです。2010年4月末から5月初旬にかけ実施され、長文・複合クエリで関連性の高いサイトが上位に来やすくなるようランキング要因が調整されましたsearchengineland.com。これにより、大量の薄いコンテンツでロングテール流入を狙っていたサイトの順位が下がり、ニッチ検索への適合性が向上しました。 |
2010年6月 | Caffeine Update | カフェインアップデート | 概要: Googleの検索インデックス構造を刷新した大規模アップデートですsearchengineland.com。インデックス更新頻度と規模が飛躍的に向上し、Googleは「以前より50%以上新鮮なインデックス」で「過去最大のウェブコンテンツ収集量」を実現したと述べましたsearchengineland.com。※ランキングアルゴリズム自体の変更ではなくインフラ改善ですが、最新コンテンツの素早い反映が可能になり検索体験が向上しましたsearchengineland.com。 |
2011年2月 | Panda Update | パンダアップデート | 概要: 低品質コンテンツ排除を目的とした画期的アップデートです。いわゆるコンテンツファーム対策で、内容が薄く価値の低いページの順位を大幅に下げましたsearchengineland.com。米国では検索クエリの約11.8%に影響が出たとも報告されsearchengineland.com、以後数十回にわたるデータ更新を経て世界各言語に展開されました。これによりオリジナルで質の高いコンテンツを提供するサイトが相対的に上位に評価されるようになりましたdevelopers.google.comsearchengineland.com。 |
2011年11月 | Freshness Update | フレッシュネスアップデート | 概要: 最新情報をより適切に提供するためのランキング更新です。時事性や更新頻度が求められる検索クエリでは新しい情報を優先表示し、約35%の検索に何らかの影響が及びましたsearchengineland.com。具体的には「最新の話題・定期イベント・頻繁更新が必要な情報」で鮮度重視の結果にシフトし、ユーザーがより新鮮でタイムリーなコンテンツを得やすくなりましたsearchengineland.com。 |
2012年1月 | Page Layout Update (Top Heavy) | ページレイアウトアップデート(トップヘビー) | 概要: 広告過多なページの順位を下げるアルゴリズム更新です。画面上部が広告だらけでコンテンツが見づらいサイトを「トップヘビー」として検出し、そうしたページのランキングを下げましたsearchengineland.com。このアップデートは以降も不定期に再実施され、改善して広告比率を下げたサイトは順位回復が可能になる一方、新たに広告過剰と判断されたサイトは順位低下する仕組みですsearchengineland.com。 |
2012年2月 | Venice Update | ヴェニスアップデート | 概要: ローカル検索結果の関連性向上を目的とした更新です。従来よりも主検索アルゴリズムが位置情報を考慮してローカルな結果を表示する度合いが高まりましたsearchengineland.com。具体的には、ユーザーの所在地に応じて地元ビジネス等の検索結果が出やすくなり、グーグルマップ等だけでなく通常のWeb検索にも地域要素が組み込まれる強化がなされました。 |
2012年4月 | Penguin Update | ペンギンアップデート | 概要: ウェブスパム対策の大型アップデートです。品質ガイドラインに違反する不自然な被リンクやキーワード詰め込みを行うサイトの順位を下げるアルゴリズムで、全検索クエリの約3.1%に影響しましたsearchengineland.com。特にリンク操作による順位上げを狙ったサイトが打撃を受け、ブラックハットSEOの排除が一段と進みましたsearchengineland.com。以降Penguinアルゴリズムはデータ更新や改良を重ねながら運用され、リンクスパムへの抑止力となりました。 |
2012年8月 | Pirate Update | パイレートアップデート(著作権) | 概要: 著作権侵害コンテンツ対策のためのアップデートです。Googleが大量のDMCA削除申請を受けているサイトの評価を下げ、違法または海賊版コンテンツを提供するサイトが検索上位に出にくくしましたsearchengineland.com。これにより、音楽・映画など海賊版配布サイトのトラフィックは平均89%減少したとも後に報告されていますsearchengineland.com。正規コンテンツ提供サイトを保護し、著作権順守を促す目的のアップデートです。 |
2012年9月 | Exact Match Domain (EMD) Update | 完全一致ドメインアップデート | 概要: ドメイン名が検索キーワードと一致するだけの低品質サイトを下位に順位付けするフィルターです。キーワードと全く同じ文字列のドメイン(EMD)を持つサイトがそれだけで不当に上位表示されるのを防ぐため導入され、英語圏検索の約0.6%に影響しましたsearchengineland.com。これによりコンテンツ品質の伴わない単純なキーワードドメイン頼みのサイトは上位に来にくくなりましたsearchengineland.com。 |
2013年8月 | Hummingbird | ハミングバード | 概要: 検索アルゴリズム全体の全面刷新と位置づけられる大規模アップデートです。自然言語クエリの解釈精度が飛躍的に高まり、キーワードの単純一致ではなく検索文の文脈や意味を理解して結果を返すようになりましたsearchenginejournal.com。例えば会話調の質問にも適切に応答できるようになり、モバイル音声検索時代を見据えた意味理解中心の新エンジンに置き換えられたとされていますsearchenginejournal.comsearchenginejournal.com。従来のパンダやペンギンなど各要素も組み込まれつつ、2001年以来の最大全面改訂とGoogleは説明しています。 |
2014年5月 | Panda 4.0 | パンダアップデート4.0 | 概要: パンダアップデートの大型刷新版です。新たな品質シグナル導入でコンテンツ評価が再構築され、英語検索の約7.5%に影響を与えたと報告されましたsearchengineland.com。低品質サイトがさらに順位を落とし、逆に質の高いオリジナルコンテンツを持つサイトは順位向上を経験しました。Googleは「Panda 4.0」によってアルゴリズム基盤を刷新し、コンテンツ品質評価の一層の精度向上を図ったとされていますsearchengineland.com。 |
2014年6月 | Payday Loan 2.0 & 3.0 | ペイデーローンアップデート2.0/3.0 | 概要: スパム性の高いクエリ分野を対象としたアルゴリズム更新です。特に「ペイデーローン」「アダルト」「違法薬物」などスパムが横行しやすい検索で質の低いサイトを排除するため、2013年6月初版に続き2014年5月と6月に2度の改良版(2.0と3.0)が実施されました。これによりブラックハット手法で上がっていたスパムサイトが大きく順位を下げ、特定分野の検索品質が改善されました。 |
2014年7月 | Pigeon Update | ピジョンアップデート | 概要: ローカル検索アルゴリズムの大幅改良です。米国英語圏で導入され、従来のWeb検索アルゴリズムとGoogleマップ等ローカルアルゴリズムの統合が進みました。具体的には、位置情報や距離を考慮した結果表示が強化され、地域検索の精度向上とGoogleマイビジネス等のデータ活用が改善されています。これによりユーザーは近隣の店舗やサービスを通常検索からも見つけやすくなりました。 |
2014年8月 | HTTPS/SSL Update | HTTPSランキングシグナル更新 | 概要: ウェブ全体のセキュリティ向上のため、HTTPS暗号化されたサイトをわずかに優遇するランキングシグナルが導入されました。影響度は「軽微(全クエリの1%未満)」とされたもののignitevisibility.com、サイト管理者に対しHTTPからHTTPSへの切り替え推奨を明確に打ち出した点で重要です。この更新以降、多くのサイトがSSL化に取り組み、ユーザーはより安全な接続で閲覧できるページが増加しました。 |
2014年10月 | Pirate 2.0 | パイレートアップデート2.0 | 概要: 2012年版Pirateの再実施・強化版です。著作権侵害ページのさらなる排除を目的に、2014年秋に違法コンテンツサイトの順位を追加で大幅に下げました。トレントサイトなど主要な海賊版サイトが軒並み検索流入を減らし、著作権ホルダーからの要請に応える形でDMCA申立の多いサイトを検索結果から実質的に排除する効果がありました。 |
2015年4月 | Mobile-Friendly Update (Mobilegeddon) | モバイルフレンドリーアップデート | 概要: モバイル対応の優劣をランキング要因に加味した大規模更新です。スマホで見やすく使いやすいサイトはモバイル検索順位が上がり、未対応サイトは下がるようになりましたdevelopers.google.com。2015年4月21日に全世界で適用され影響範囲も広かったため「モバイルゲドン」とも称されました。これによりウェブマスターはレスポンシブ対応やモバイル最適化を急速に進め、モバイルユーザーの利便性が向上しましたdevelopers.google.com。 |
2015年5月 | Quality Update (Phantom 2) | クオリティアップデート(ファントム) | 概要: 品質評価シグナルの調整による未公表アップデートですが、多数のサイト順位変動から存在が確認されました。低品質コンテンツのサイトが軒並み順位を落とし、高品質サイトが浮上したことから、Google内部ではコンテンツの質・ユーザー満足度に関わるコアアルゴリズム変更が行われたと推測されています。公式名称は無いものの業界では「Phantom(ファントム)アップデート」と呼ばれ、後のコアアップデートに通じる品質重視の先駆けとされます。 |
2015年10月 | RankBrain | RankBrain(ランクブレイン) | 概要: 機械学習を検索ランキングに初導入した革新的アルゴリズムです。2015年春に一部導入され同年10月に存在が公表されましたsearchenginejournal.com。RankBrainはクエリの意味や関連性をAIで推測し、未知の検索語や曖昧な質問に対しても適切な結果を返すことを可能にしましたsearchenginejournal.com。導入当初は全クエリの15%程度に適用されましたが、最終的に検索のほぼすべてに組み込まれsearchenginejournal.com、Googleのランキング要因トップ3の一角を占める重要システムとなりました。 |
2016年1月 | Intrusive Interstitial Penalty | モバイルポップアップペナルティ | 概要: モバイル閲覧でユーザー体験を妨げる過度なポップアップやインタースティシャルを表示するサイトの順位を下げるアルゴリズム更新です。2017年1月10日以降、画面全体を覆う広告や煩わしい案内を出すページはモバイル検索でランキング低下の対象となりました。これによりモバイルユーザビリティの改善が促進され、閲覧者にストレスを与えないサイトが相対的に上位表示されやすくなりました。 |
2016年9月 | Possum Update | ポッサムアップデート | 概要: ローカル検索結果のフィルタリング強化を行ったアップデートです。2016年9月頃から、Googleマップ等のローカルパック結果で住所や所在地が近い類似ビジネスが検索結果から除外(フィルタ)されるケースが増えました。これにより同一住所に密集する業者が乱立表示されないようになり、ユーザーにはより多様なローカル結果が提供されるよう調整されました。 |
2016年9月 | Penguin 4.0 (Real-time Core) | ペンギンアップデート4.0 | 概要: Penguinアルゴリズム最終版にしてリアルタイム化です。約2年ぶりの更新で、Penguinがコアアルゴリズムの一部に組み込まれリアルタイムにリンク評価が更新されるようになりましたsearchengineland.com。これにより、悪質なリンクを発見してもサイト全体を一律にペナルティするのでなく、**ページ単位でスパムリンクの評価を下げる(より粒度の細かい処置)**動作に変更されていますsearchengineland.com。今後Penguin単体の更新告知は行われない旨も発表され、悪質リンク対策は常時動的に行われる体制となりました。 |
2017年3月 | Fred Update | フレッドアップデート | 概要: 品質の低いコンテンツや広告だらけのサイトを大幅に順位降下させたアップデートです。Googleが公式名称を与えなかったためGary Illyes氏のジョークから「Fred」と呼ばれます。2017年3月7~8日頃に実施され、多くのアフィリエイトサイトや薄い内容の記事で広告収益を優先していたサイトが流入激減(90%近く減も)しましたsearchenginejournal.comsearchenginejournal.com。コンテンツの専門性・有益性・広告と内容のバランスなど品質評価が一段と強化された更新です。 |
2018年3月 | Broad Core Update (Mar 2018) | 2018年3月コアアップデート | 概要: 広範なコアアルゴリズムの更新です。Googleは「Broad Core Algorithm Update」として公式認識し、検索品質を全般的に向上させるため定期的に行っているアップデートの一つですnationalpositions.com。特定のサイトや手法を狙い撃ちするものではなく、検索意図とのマッチ度が高い良質コンテンツをより評価する全体調整であり、この更新では医療・通販など一部サイトに順位変動が見られました。Googleは従来のアドバイス通りコンテンツを改善し続けることが最善策と説明しています。 |
2018年8月 | Broad Core Update (Medic) | 2018年8月コアアップデート(通称Medic) | 概要: 通称「Medicアップデート」。健康・医療・金融などYMYL(人生やお金に影響する)分野のサイトに大きな影響が出たコアアルゴリズム更新ですcalinetworks.com。Googleは引き続き**E-A-T(専門性・権威性・信頼性)**の重要性を強調し、この更新では特に医療健康系の品質低いサイトが順位を落としました。ユーザーに役立つ専門的で信頼できるコンテンツ提供の必要性を改めて業界に認識させたアップデートです。 |
2019年3月 | Broad Core Update (Mar 2019) | 2019年3月コアアップデート | 概要: 2019年最初のコアアップデートです。正式名称は単に「March 2019 Core Update」で、Google自ら命名を公表しました。検索結果の全般的な品質改善が目的で、特定分野というより広範なサイトに順位変動が生じました。特に前回Medic同様に健康・ニュース系で順位入替が確認され、「Florida 2」と俗称する声もありましたが、Googleは従来通り質の高いコンテンツ提供に努めるよう案内しています。 |
2019年6月 | Broad Core Update (June 2019) | 2019年6月コアアップデート | 概要: 事前予告された初のコアアップデートです。Danny Sullivan氏がロールアウト開始をTwitter告知し、世界的に展開されました。検索ボリュームの大きいニュースサイト等で順位変動が見られましたが、Googleは「常に行う広範な改善」と位置付け、特定要因への対処ではないとコメントしています。コンテンツの網羅性・専門性の高いページがより上位に評価される傾向が強まったとも分析されました。 |
2019年10月 | BERT (Language Understanding) | BERTアルゴリズム導入 | 概要: 自然言語処理モデル「BERT」を検索に導入したアップデートです。BERTにより検索エンジンがクエリ文中の前後文脈や助詞など微妙なニュアンスを理解できるようになり、複雑な問いにも適切な結果が表示される精度向上が実現しましたen.wikipedia.org。2019年10月時点では英語検索に適用(全クエリの約10%に影響)され、のちに他言語にも拡大しました。BERT導入で検索クエリ理解力が飛躍的に向上し、より的確な検索結果提供が可能となりました。 |
2020年1月 | Broad Core Update (Jan 2020) | 2020年1月コアアップデート | 概要: 2020年最初のコアアップデートです。広範囲な検索順位変動が観測され、とくにYMYL領域(医療・健康・金融など)で顕著でした。Googleは引き続き検索アルゴリズム全体の改善であるとし、順位が下がったサイトに対しても「間違ったことをしたわけではなく、他の優れたコンテンツが相対的に評価された結果」だと説明していますdevelopers.google.com。コンテンツの有用性・信頼性を高めることが引き続き推奨されました。 |
2020年5月 | Broad Core Update (May 2020) | 2020年5月コアアップデート | 概要: 新型コロナ禍の中実施された大規模コアアップデートです。検索アルゴリズム全体の再評価により、医療・レシピ・旅行など多岐にわたるジャンルで順位変動が発生しましたnationalpositions.com。この更新を機に検索結果の顔触れが変わったキーワードも多く、Googleは「年に数回の通常のコア更新」と説明しつつも、SEO業界ではここ10年で最大級との声もありました。引き続きコンテンツの包括性・権威性を高める努力が求められました。 |
2020年12月 | Broad Core Update (Dec 2020) | 2020年12月コアアップデート | 概要: 2020年2回目のコアアップデートです(※当初夏に予定も延期され、この時期の実施となった)。検索結果全般の再評価が行われ、特に商品レビューサイトやソーシャルブックマーク型サイトなどで順位変動が報告されました。Googleは例によって「広範な改善」であり特定の焦点は無いと述べています。年末の実施でしたが、品質の低いコンテンツは更に順位を落とし、高品質サイトは恩恵を受ける結果となったようです。 |
2021年2月 | Passage Indexing (Ranking) | パッセージインデックス(パッセージランキング) | 概要: ページ内の一部文章(パッセージ)を対象に直接ランキング評価する新手法の導入です。長大なページの中の該当部分だけが検索意図にマッチする場合でも、その部分を抽出して結果表示できるようになりました。まず2021年2月に英語検索で実装され約7%の検索クエリに影響しましたgmotech.jp。ページ全体ではなく「一節」ごとに関連性を評価することで、ニッチな質問にもページ内回答を拾い上げる検索精度向上が図られています。 |
2021年4月 | Product Reviews Update (Apr 2021) | プロダクトレビューアップデート | 概要: 商品レビューの質を重視する新アルゴリズム更新です。ユーザーに実用的なレビュー情報を提供するため、実体験に基づいた詳細で有益なレビューを掲載するサイトが高評価され、薄い内容やメーカー公式説明丸写しのようなレビューサイトは順位を下げました。2021年4月8日に英語圏で初導入され、以降この「商品レビューアップデート」は改良を重ねつつ年数回実施されますsimplique.jp。独自の分析・専門性あるレビューコンテンツの重要性が高まったアップデートです。 |
2021年6月 | Broad Core Update (June 2021) | 2021年6月コアアップデート | 概要: 2021年前半のコアアップデートです。この更新は翌7月のコアアップデートと対になる前編として位置づけられ、一部改善が間に合わなかったため2回に分けて展開されました。検索結果全般の大幅な再評価が行われ、多数のサイトで順位変動が観測されています。Googleは常套句ながら「幅広いアルゴリズムの変更」と説明し、下落サイトも改善された他サイトとの相対評価結果であるとしています。 |
2021年6~8月 | Page Experience Update (Mobile) | ページエクスペリエンスアップデート(モバイル) | 概要: コアウェブバイタル(Core Web Vitals)指標などページ体験をランキングに組み込むアップデートです。本来5月開始予定が遅れ、2021年6月中旬から8月下旬にかけてモバイル検索に段階展開されました。ページ表示速度・レスポンス・レイアウト安定性の3指標で良好なサイトは評価がわずかに上がり、ユーザーに優しくないポップアップ常用サイトなどは不利になりました。ユーザー体験を直接ランキング要因に加味し、サイト高速化やモバイル最適化の重要性が一層高まった更新です。 |
2021年7月 | Broad Core Update (July 2021) | 2021年7月コアアップデート | 概要: 6月に続く後編のコアアップデートです。6月分で適用しきれなかった調整を含むとされ、検索順位の再変動が発生しました。特に6月更新で下がった一部サイトが多少持ち直すケースも見られ、Googleも**「前回の続きとなる更新」と説明しています。依然として品質の高いコンテンツを持つサイトが有利になる流れで、サイト運営者にはコンテンツの網羅性・ユーザー満足度向上**が引き続き推奨されました。 |
2021年8月 | Link Spam Update | リンクスパムアップデート | 概要: 被リンクのスパム対策強化を目的としたアルゴリズム更新です。売買リンクや相互リンクなどガイドライン違反の不自然な外部リンクをより無効化できるよう、GoogleのAIスパム検出システム「SpamBrain」が用いられました。2021年7月下旬から8月上旬にかけて世界展開され、低品質リンクに頼るサイトの評価を下げていますsearchengineland.comsearchengineland.com。これによりリンクスパムの実質的な効果減少と、ホワイトハットな被リンク構築の重要性が再確認されました。 |
2021年11月 | Broad Core Update (Nov 2021) | 2021年11月コアアップデート | 概要: 2021年3回目のコアアップデートです。ブラックフライデー直前のタイミングでしたが実施され、グローバルで順位変動が発生しました。特にニュースサイトや辞典サイトなどで順位変動が指摘され、検索ボリュームの多いクエリで上位サイトの入れ替わりが見られました。Googleから特別な指針は出されず、引き続きサイト全体のコンテンツ品質を見直すよう求められています。 |
2021年12月 | Product Reviews Update (Dec 2021) | プロダクトレビューアップデート(2021年12月) | 概要: 2021年4月のレビューアップデート改良版ですplan-b.co.jp。4月以降に改善した優良な商品レビューコンテンツは評価向上の可能性があり、逆に進歩のない薄いレビューサイトはさらに順位が下がりましたsuzukikenichi.com。Googleは**「より良い商品レビュー」の提供を継続的に追求しており、ユーザーが満足できる独自分析や具体的根拠に富むレビュー**が一層求められています。 |
2022年2月 | Page Experience Update (Desktop) | ページエクスペリエンスアップデート(デスクトップ) | 概要: 前年モバイルに導入したページ体験指標をデスクトップ検索にも拡大適用したアップデートです。2022年2月上旬から3月にかけ展開され、Core Web Vitals指標などがPC検索ランキングにも考慮されるようになりました。これにより、モバイル・PC双方でユーザビリティの高いサイトが多少有利となり、サイト運営者は全デバイスでのパフォーマンス最適化に取り組む必要が生じました。 |
2022年3月 | Product Reviews Update (Mar 2022) | プロダクトレビューアップデート(2022年3月) | 概要: 商品レビューアップデート第3弾です。従来同様、深みのある有益なレビュー記事を高く評価し、薄っぺらな量産型レビューサイトの順位を下げました。今回も英語圏中心でしたが、前回までの改善策を施したサイトは恩恵を受け、依然改善しなかったサイトはさらに可視性が低下しました。Googleはレビュー品質評価ガイドを更新し続けており、クリエイターにはユーザー目線での独自レビュー作成を促しています。 |
2022年5月 | Broad Core Update (May 2022) | 2022年5月コアアップデート | 概要: 2022年初のコアアップデートです。Danny Sullivan氏より事前告知された上で5月25日に開始され約2週間で完了しましたsearchengineland.com。検索全般の広範な見直しが行われ、金融・ショッピング・テクノロジー系などで順位変動が報告されています。Googleは「役立ち信頼できる検索結果を提供するための定期的大規模更新」と説明しdevelopers.google.com、影響を受けたサイトにもコンテンツ点検と改善を再度呼びかけました。 |
2022年7月 | Product Reviews Update (Jul 2022) | プロダクトレビューアップデート(2022年7月) | 概要: 商品レビューアップデート第4弾です(初の英語以外言語対応版)。7月下旬に開始され、初めて日本語を含む12言語にも適用されましたstatus.search.google.com。これにより日本の「商品レビューサイト」でも順位変化が起き、質の低い自動生成・翻訳レビュー等が下落し、実ユーザーの詳しいレビューを載せるサイトが上位に評価される傾向が強まりました。Googleは引き続きガイドラインで具体的な改善点を提示しています。 |
2022年8月 | Helpful Content Update (Aug 2022) | ヘルプフルコンテンツアップデート(8月) | 概要: サイト全体の役立たないコンテンツを除外する新アルゴリズム導入です。まず英語圏で8月25日開始(9月に完了)し、人間の読者に価値のない検索エンジン向け文章だらけのサイトを自動識別して順位降格させましたdevelopers.google.comdevelopers.google.com。この「Helpful Contentシグナル」はサイト全体に影響し、不要コンテンツが多いとサイト内の他の有用なページも評価が下がる可能性がありますdevelopers.google.com。Googleはユーザー第一のコンテンツ作成を改めて強調し、ガイドラインに沿わないサイト全体を丸ごと低評価する仕組みを本更新で開始しました。 |
2022年9月 | Broad Core Update (Sep 2022) | 2022年9月コアアップデート | 概要: 2022年2回目のコアアップデートです。Helpful Content Update実施直後の9月12日に開始され9月26日に完了しました。直前のヘルプフルコンテンツアップデートで下がったサイトの一部が若干回復する例も見られ、Googleも関連は否定しつつアルゴリズム全体の再調整が行われた模様です。検索マーケット全体では動画プラットフォームや大型掲示板サイトが順位を上げるなど動きがあり、引き続きコンテンツ品質と専門性の高いサイトが有利になる傾向が示されました。 |
2022年10月 | Spam Update (Oct 2022) | スパムアップデート(2022年10月) | 概要: Googleのスパム検出AI「SpamBrain」による大規模なウェブスパム対策アップデートです。2022年10月19日に実施が発表され、世界中の検索インデックスでリンクスパムや詐欺サイトなど悪質ページの検出と無効化が強化されましたdevelopers.google.com。多言語にまたがる適用で、検索結果から大量のスパムが除去され、ユーザーはより安全で信頼できるページを見つけやすくなりました。 |
2022年12月 | Helpful Content Update (Dec 2022) | ヘルプフルコンテンツアップデート(12月) | 概要: 8月のHelpful Content Update改良版で、英語以外の言語にも初めて展開されましたdetail-cc.com。12月6日に開始され2週間ほどで完了し、日本語を含む全言語サイトの役立たないコンテンツが一層厳しく評価されるようになりましたswitchitmaker2.com。前回までに対応できなかったサイトはさらなる順位低下となり、ユーザー本位の有用なコンテンツ作成がますます重要になりました。 |
2022年12月 | Link Spam Update (Dec 2022) | リンクスパムアップデート(2022年12月) | 概要: SpamBrainを活用したリンクスパム対策アップデート第2弾です。12月14日から翌月初めにかけて実施され、有料リンクや相互リンクなど不自然な被リンクをさらに無効化しました。多くのリンクネットワークを検出し評価対象外としたことで、人工的な被リンクで順位を維持していたサイトが軒並み検索流入を減らしました。権威のない被リンクは意味をなさなくなる方向が強まり、コンテンツの質に見合わない外部SEO手法の限界を示す更新となりました。 |
2023年2月 | Product Reviews Update (Feb 2023) | プロダクトレビューアップデート(2023年2月) | 概要: 6回目のプロダクトレビューアップデートです。2023年2月21日から3月7日にかけ11言語で展開され、日本語にも初適用されましたstatus.search.google.com。質の低い自動翻訳レビューサイト等が順位を落とし、実ユーザーによる詳しいレビューを載せたサイトが上位表示されるようになりました。Googleは引き続きレビューコンテンツ作成のベストプラクティスを提示し、ユーザーに役立つ詳細で誠実なレビューを行うサイトを優遇する姿勢を明確にしています。 |
2023年3月 | Broad Core Update (Mar 2023) | 2023年3月コアアップデート | 概要: 2023年初のコアアップデートです。3月15日に開始され3月28日に完了しました。検索全般の見直しが行われ、日本語を含む多くの言語で順位変動が起きました。特にAI生成コンテンツが多い一部サイトや信頼性に欠ける医療系サイトが順位を下げ、オリジナルで信頼性の高い情報を持つサイトが浮上する傾向が指摘されていますdevelopers.google.com。Googleは引き続きコンテンツ品質向上以外に特別な対応策は無いとしています。 |
2023年4月 | Reviews Update (Apr 2023) | 2023年4月レビューアップデート | 概要: 対象を製品レビュー以外のあらゆるレビュー全般に拡大したアップデートです。4月12日に開始され25日に完了しましたsearchengineland.com。製品のみならずサービスや観光地などのレビューコンテンツも評価対象となり、深い分析と独自性のあるレビューを提供するページが高く評価されました。一方、薄い内容や他サイトからの寄せ集めレビューは順位を落としています。Googleは全種類のレビューコンテンツにおいて、専門知識や実体験に根差した質の高いレビュー作成を促していますgsqi.com。 |
2023年8月 | Broad Core Update (Aug 2023) | 2023年8月コアアップデート | 概要: 2023年後半最初のコアアップデートです。8月22日に開始され9月7日に完了しました。検索結果の広範な再評価が行われ、特にAI生成コンテンツが多いサイトや一部辞典サイトで順位変動が観測されました。Google公式には「いつも通りのコアアップデート」とされ詳細は語られませんでしたが、SEO業界では前回3月更新と似た傾向(信頼性・独自性重視)が報告されています。引き続き検索意図に沿った高品質コンテンツ提供が最重要とされています。 |
2023年9月 | Helpful Content Update (Sept 2023) | ヘルプフルコンテンツアップデート(9月) | 概要: ヘルプフルコンテンツアップデートの改良版です。9月14日に開始され9月28日に完了しましたsearchenginejournal.comsearchenginejournal.com。今回から新たなシグナル調整によりAI大量生成された役立たない記事も一層厳しく扱われ、前回改善が見られなかったサイトの多くがさらに順位低下しました。Googleは公式ブログで**「役に立たないコンテンツを40%減らした」**とも述べておりsearchenginejournal.com、ユーザー本位でない大量生産記事の淘汰が進んだアップデートとなりました。 |
2023年10月 | Spam Update (Oct 2023) | スパムアップデート(2023年10月) | 概要: 2023年版のスパムアップデートです。10月4日に開始され10月19日に完了しましたsearchenginejournal.com。今回もSpamBrainを用いグローバルで展開され、様々な言語のリンクスパム・詐欺サイト・自動生成スパムページがより効果的に検出・除去されましたsearchenginejournal.com。また、直後に実施されたコアアップデートと重なり一時的にGoogle Discoverのトラフィック減少など技術的不具合も報告されましたがsearchenginejournal.com、検索結果のスパム除去精度は着実に向上しています。 |
2023年10月 | Broad Core Update (Oct 2023) | 2023年10月コアアップデート | 概要: 異例のペースで実施されたコアアップデートです。10月5日に開始され10月19日に完了しましたsearchengineland.com。9月のHelpful Content Updateで順位を落としたサイトの一部が若干復調するケースも見られましたが、全体としては高品質コンテンツ重視の流れを継続する更新と分析されていますwithin.co。この更新直後、一部サイトでDiscoverトラフィックの急減というバグも確認されGoogleが修正対応しましたsearchenginejournal.comsearchenginejournal.com。 |
2023年11月 | Broad Core Update (Nov 2023) | 2023年11月コアアップデート | 概要: 10月に続き連続で行われたコアアップデートです。11月2日に開始され完了まで約25日間と異例に長期化しましたstatus.search.google.comsearchengineland.com。Googleは年内4回目のコア更新となることを認めつつ、引き続き高品質でオリジナルなコンテンツを持つサイトの評価向上を目的としたものと説明していますsinglegrain.comsearchengineland.com。本更新ではレビューシステムにも改良が加えられ、ブログ記事など意見系コンテンツの評価にも変化が及んだと報告されていますmarketing.trialguides.com。 |
2023年11月 | Reviews Update (Nov 2023) | 2023年11月レビューアップデート | 概要: 今年2回目のレビューアップデートです。11月8日に開始され12月初旬に完了しましたsearchenginejournal.comsearchenginejournal.com。ページ単位でレビューコンテンツの質を評価するアルゴリズムへ刷新され、特に商品・サービス・旅行先などあらゆるレビュー記事において深く有益でユーザー本位な内容がより高く評価されました。一方で形式的・浅薄なレビューばかりのページは検索上の視認性が低下しています。Googleは引き続き経験に裏打ちされた信頼性あるレビューを書くようサイト運営者に求めています。 |
2024年3月 | Broad Core Update (Mar 2024) | 2024年3月コアアップデート | 概要: 2024年最初のコアアップデートです。3月5日に開始され完了まで45日間と異例の長期ロールアウトとなりましたsearchenginejournal.com。低品質コンテンツの排除とスパム対策ポリシー強化が図られており、AI生成の薄いサイトやリンクプランによる操作がより無効化されていますsearchenginejournal.comsearchenginejournal.com。本更新では完了告知がロールアウト終了1週間後になるなど影響把握にも時間がかかりましたが、Googleは引き続きオリジナリティがあり役立つコンテンツの提供を重視する姿勢を示しています。 |
2024年6月 | Spam Update (June 2024) | 2024年6月スパムアップデート | 概要: 2024年版のスパムアップデートです。6月20日に開始され約1週間で完了しましたamericaneagle.com。Googleは引き続きスパム検出技術を向上させており、低品質で操作的なコンテンツの検出と除外がさらに強化されましたamericaneagle.com。この更新によって順位を下げたサイトは、手法の見直しとコンテンツ品質向上が急務となります。検索結果の健全性維持のために欠かせない定期的なアップデートです。 |
2024年7月 | Explicit (Deepfake) Content Update | ディープフェイク対策アップデート | 概要: 非合意の性的ディープフェイクコンテンツを対象とした異例のアルゴリズム更新です。7月31日に実施が発表され、AI生成の偽ポルノ画像や動画を検索結果から排除する措置が取られましたamericaneagle.com。近年問題視されるディープフェイク拡散への対策で、悪質なフェイク露出コンテンツが上位表示されないようランキングシステムが調整されていますamericaneagle.com。ユーザー保護とネット上の有害コンテンツ抑制を目的としたアップデートです。 |
2024年8月 | Broad Core Update (Aug 2024) | 2024年8月コアアップデート | 概要: 2024年後半のコアアップデートです。8月15日に開始され9月3日に完了しましたsearchenginejournal.com。2023年9月のHelpful Content Updateで小規模サイトに生じた過剰な順位低下へのフィードバックも考慮されているとされ、一部独立系サイトで若干の順位持ち直しが見られましたsearchengineland.comsearchengineland.com。Googleは更新に合わせガイダンス文書を充実させ、アップデート後に変化を感じた場合の対処法なども追加提示しています。基本方針は変わらずオリジナルで価値あるコンテンツ重視です。 |
2024年11月 | Broad Core Update (Nov 2024) | 2024年11月コアアップデート | 概要: 2024年3回目のコアアップデートです。11月11日に開始され完了まで3週間かかりましたsearchenginejournal.com。検索結果全般の再評価が行われ、特にニュースメディア間で順位変動が大きく、一部大手出版社サイトが下落する一方で掲示板サイト(例:Reddit)が浮上する現象も報告されましたsearchenginejournal.com。Googleは依然詳細非公表ですが、長期的なデータ蓄積に基づくコア更新だと説明しており、今後も定期的にこうした大規模更新が続く見通しです。 |
2024年12月 | Broad Core Update (Dec 2024) | 2024年12月コアアップデート | 概要: 2024年4回目・年内最後のコアアップデートです。12月12日に開始され18日に完了しましたsearchenginejournal.com。年末実施は2011年以来でしたが、Googleは通常の広範更新と位置付けました。検索順位の広範な入れ替えが生じ、テック系・辞書系サイトでの順位変化が指摘されています。Google担当者は「将来のアップデートでも全サイトが完全復元するとは限らない」と述べておりsearchengineland.com、品質向上努力を継続しても現状で劣るサイトは上位復帰が保証されない可能性が示唆されています。 |
2024年12月 | Spam Update (Dec 2024) | 2024年12月スパムアップデート | 概要: 年末に実施されたスパムアップデートです。12月19日に開始され26日に完了しましたsearchenginejournal.com。Googleは「今年最後(おそらく)のスパムアップデート」として公表し、前回同様AIによるスパム検出の強化を行いました。これにより検索結果から残存するスパムサイトやリンク操作がさらに除去され、検索品質が一段と改善されていますsearchenginejournal.com。来年以降も引き続きスパム対策更新が続く見込みです。 |
2025年3月 | Broad Core Update (Mar 2025) | 2025年3月コアアップデート | 概要: 2025年初のコアアップデートです。3月13日に開始され3月27日に完了しましたsearchenginejournal.comsearchenginejournal.com。完了まで2週間かかり、前回2024年12月更新と同程度の順位変動が観測されましたsearchengineland.com。Googleは引き続き質の高いコンテンツ提供者を報いる方針を強調しつつも、「現時点で価値が不足するサイトが今後のアップデートで完全に回復できるとは限らない」旨を示唆していますsearchengineland.com。長期的視点でのコンテンツ改善継続が鍵とされます。 |
2025年6月 | Broad Core Update (June 2025) | 2025年6月コアアップデート | 概要: 2025年2回目のコアアップデートです。6月30日に開始され7月17日に完了し、過去最長級の16日以上を要しましたsearchengineland.comsearchengineland.com。依然として広範囲なランキングシステムの調整であり、特定分野のみを狙ったものではありません。ただし直近のアップデート同様にE-E-A-T(経験・専門性・権威・信頼)重視の傾向が続き、AI生成コンテンツの扱いにも変化が見られました。Googleは依然「アップデートのたびに勝者と敗者が出るが、単に他コンテンツとの相対評価が変わった結果」と説明しておりdevelopers.google.com、ウェブマスターには引き続きサイト全体の有益性向上が求められています。 |
重要:Google検索アルゴリズムに関する内部資料リーク(2024年5月流出)
Google検索アルゴリズムに関する内部資料がリークし、大きな注目を集めてました。この資料は裁判記録とも関連しており、Googleも本物であると認めました。結果、Googleの公式見解と実際のアルゴリズムの差異が明らかになりました。ユーザー行動指標の重要性は増す一方と捉えて良さそうです。
参考:Google confirms the leaked Search documents are real
流出した主な評価項目
・ドメインオーソリティークリックデータ
・Chromeデータ(CrUX)
・ドメイン年齢(サイト公開からどのくらい経過しているか)
・Navboost/QualityBoost
・リンクグラフ
・短文コンテンツの独創性
・埋め込み物のトピック
など
特に重要だと考える、Navboostについて簡単に解説します。
特に重要:Navboost(ナブブースト)クリックされやすさと検索体験が重要
- Navboostとは、検索結果上でのユーザーのクリックデータをもとに検索順位を調整するアルゴリズムです。
- Navboostは検索結果上でのユーザーのクリック行動を過去13ヵ月間にわたってすべて記録しており、そのデータに基づいて、検索結果の順位を調整します。NavBoostは検索結果のクリックを下記のように区別することで、クエリとページの関連性と品質をより適切に評価します。
- Good Clicks(良いクリック)– 検索結果をクリックしたユーザーがページに長時間にわたって滞在したり、または検索行動を完了したりするなど、ユーザーの高い満足度を示すクリック。
- Bad Clicks(悪いクリック)– 検索結果をクリックしたユーザーがすぐに検索結果に戻ってくるなど、ユーザーの不満を示すクリック。
- Last longest click(最後の長いクリック)ユーザーが検索セッション内で最後に最も時間を費やしたクリック。ユーザーが最も時間を費やしたページは、最も価値を提供している可能性が高く、コンテンツの質が高く、ユーザーの満足度が高いことを示す。
過去のユーザの検索は、未来のユーザの反応に貢献する
検索とその後のサイト内行動の結果が大事です。
なので、SEO(検索エンジン最適化)だけを頑張るのではなく、検索後にどこのページへランディングして体験はどうだったのか?を確認して合わせて改善していくことがユーザに対して価値のある行動となります。
Googleのこれから(予測と指針)
- 生成AIとの連携(SGE:Search Generative Experience)
→ 回答型の検索体験が進化、従来の“順位争い”から“参照される存在”へ - 専門性と実体験の評価(E-E-A-T)強化
→ 実際に使った・体験した・比較した内容がより評価される時代に- これは現在も適用されています。
- ローカル検索・動画検索の最適化の重要性が上昇
→ 多様な情報形式(画像・動画・音声)への対応が鍵
- AI技術の取り込みがより加速。最新の決算発表でもAIへの取り組みを発表
- 検索クエリに対して、AIが応えるのが「AI Overviews」。ChatGPTなどと競合。
- GoogleはAIによって整理された検索結果ページをユーザにとっても有益なものだと考えている
- コンテンツが発見される機会を増やす流れ
- (直近Youtube動画のAIOverviewsへの引用回数が向上などの動きあり)
- 本質は変わらない(ユーザにとって価値あるコンテンツ)が、コンテンツが生まれる仕組み(AIと人の共存)と流れが変わってきている
- 参考:第3四半期の決算発表:ピチャイCEOの発言
示唆
時代が変遷しても根本思想を意識することで柔軟な対応が可能になる
- 意識して継続的に考える問い
- 検索という行動の総数は変わるか?
- 増える?減る?
- 検索の手段がどのように変わるか?分散していくのか?
- 統合、分散?
- どんな情報が役にたつのか?
- 役にたつとは?TPOを考える
- 検証できているか?
- 自分たちの情報は役に立っているのか?
- 独りよがりにならず、数字をもとに日々検証し改善していくこと
- ただし、数字は全てではないことを理解し、「同じ人間」が実際に使っていることを想像する
- 日本の「おもてなし」をWebでも実践する
- 検索という行動の総数は変わるか?
実践ワーク
- STEP1:あなたのサイトにユーザはどんなクエリで訪れているのか?仮説を立てて考えてみましょう
- STEP2:実際にSearch Consoleで検索されているクエリを調べてみましょう
- STEP3:応用
- GA4で流入を自然検索に絞り、最もランディングされるページがどこか上位10位を見ましょう
- そのうちエンゲージメント率が低いページがないか確認しあれば改善出来る方法がないか企画を立てましょう。
アルゴリズム変動への対策
ユーザーが求める情報を提供する
・ユーザーの検索意図を加味してコンテンツを最適化する
・EEATを高める(専門性だけでなく、経験や権威性、信頼性を考慮する)
E: Experience経験 | そのトピックに関してコンテンツ著者が持つ実体験や人生経験。著者が直接的に体験したことはコンテンツの独自性に表れる。 |
E: Expertise専門性 | そのトピックに関してコンテンツ著者が持っている知識や技術。著者が持つ知識や技術の広さや深さはコンテンツの品質に表れる。 |
A: Authoritativeness権威性 | そのトピックに関する有力な情報源としてのウェブサイトやコンテンツ著者の知名度。定量的に計測可能な指標としてPageRankが使われる。 |
T: Trust信頼 | そのページの正確性、公正性、安全性、確実性。コンテンツ著者の E: Experience(経験)または E: Expertise(専門性)と、コンテンツ著者やウェブサイトの A: Authoritativeness(権威性)がこれを裏付ける。 |
参考:Google検索品質評価ガイドライン
・YMYL(人の健康・生活に関わる分野)領域では特に重要。専門家監修のもと個人体験も重要視する
サイトUXを高める
・UXハニカムのようなフレームワークをもとに価値を定義し構成要素ごとに確認
参考:優れたユーザーエクスペリエンスを実現するためのUXハニカム
まとめ
理解したこと | 実践に活かすには? |
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Googleは“ユーザーに役立つ情報”を重視している | 記事やページは「誰の、どんな課題を、どう解決するか」で設計する |
アルゴリズムは絶えず進化している | 表面的な対策ではなく、本質的な価値提供を意識する |
「クリックされる」ことよりも「信頼される」ことが重要 | 専門性、実体験、一次情報を積極的に伝える |
参考資料・学びを深める公式リンク集
SEOに関して言えば下記記事を読み込むことを、後輩にもアドバイスしてきました。
未だにわからない部分はあるのですが、下記記事を読むことで検索についての解像度が高まってくると思います。
- Google検索セントラル公式ガイド
- 検索品質評価ガイドライン(Search Quality Evaluator Guidelines)
- SEOスターターガイド(Google公式)
- Google公式ブログ(日本語)
- Google検索の歴史
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