細分化・場合分けとは?

コンサルタントの道具箱

この記事はこんな人におすすめ

  • ロジカルシンキングを鍛えたい学生・社会人
  • 議論や会議で「なんだか議論が噛み合わない」と感じる人
  • コンサルティング・マーケティング・企画職で成果を出したい人
  • 問題解決のフレームワークを身につけたい人

記事の概要

「細分化・場合分け」とは、物事をより小さな要素や条件に分けて整理し、成立条件や不成立条件を明確にする思考法です。ロジカルシンキングや課題解決の基本であり、これを徹底するだけで議論や意思決定の質が大きく変わります。


この記事を読むと変わること(Before / After)

Before(読む前)After(読んだ後)
複雑な問題を一括で考えて混乱する問題を要素ごとに細分化して整理できる
成立条件・不成立条件を曖昧に扱う場合分けで条件を明確にできる
議論が「一般論」止まり複数パターンを比較して深い議論ができる
問題解決の切り口が1つしか浮かばない複数軸で整理する視点を持てる

細分化・場合分けとは?

細分化(Breakdown)

  • 複雑な概念や課題を小さな要素に分けて整理すること
  • 例:売上を「客数 × 客単価 × 購入頻度」に分解する

場合分け(Case Analysis)

  • 条件ごとに成立/不成立を分けて考えること
  • 例:「新商品は売れるか?」を「既存顧客」「新規顧客」に分けて検討する

細分化=因数分解、場合分け=条件分岐 とイメージすると分かりやすいです。


成立条件・不成立条件を探る重要性

  • 成立しなさそうな主張でも、場合分けすると成立する場合がある
    例:「広告費を削減すると売上は下がる」→「ブランド認知が十分なら必ずしも下がらない」
  • 成立しそうな主張でも、場合分けすると成立しない場合がある
    例:「価格を下げれば売上が増える」→「高級ブランドでは逆効果」

ポイントは「一般論ではなく条件付きで考えること」です。


複数軸での細分化・場合分け

細分化・場合分けは 1つの軸だけでなく、複数軸を組み合わせる とさらに効果的です。

  • 顧客分析の例:
    • 軸① 属性(年齢・性別)
    • 軸② 購入行動(新規・リピーター)
    • 軸③ チャネル(店舗・EC)

「20代女性 × 新規 × EC」のように条件を掛け合わせることで、具体的な洞察が得られます。


多くの人が不十分な理由

  • 「一般論」で語ることに慣れてしまっている
  • 時間をかけて整理する習慣がない
  • 細分化・場合分けを「面倒」と思ってスキップしてしまう

だからこそ、細分化・場合分けを徹底するだけで 議論や分析に差をつけやすい のです。


因果や手順を細かく分解する

  • 因果関係の細分化:「売上が下がった」→「来客数減少」→「広告費削減」→「認知度低下」
  • 手順の細分化:「顧客対応」→「問い合わせ受付」「回答準備」「回答実施」「フォローアップ」

原因を掘り下げたり、業務フローを分解することで改善点が見えるようになります。


ツリー構造で整理する

細分化・場合分けを行うときは ツリー図 が有効です。

  • MECE(漏れなくダブりなく) を意識して整理
  • ロジックツリー:Whyツリー(原因分析)/Howツリー(解決策検討)

視覚化することで抜け漏れを防ぎ、チームでも共通理解を得やすくなります。

大事な偉人の言葉:デカルト「困難は分割せよ」

出典

『方法序説』(1637年)に示された「方法的規則」の一つ。
デカルトは明晰な思考のために4つの規則を掲げ、その第2の規則が「困難をできる限り小さな部分に分割して考えること」です。

原文(意訳)

「私は取り扱うべき各々の困難を、よりよく解決できるように、それを可能な限り多く、また最も小さな部分に分けることにした。」


意味と狙い

  • 複雑な問題は一度に解けない
    → 小さな要素に分ければ、理解しやすく解決しやすい。
  • 混乱を避ける
    → 論点を細分化することで思考の整理ができる。
  • 再構築の基盤
    → 分割した要素を積み上げることで、全体像を正しく把握できる。

ビジネスや日常での応用例

  1. プロジェクト管理
    「新規事業を成功させる」という困難を、「市場調査」「商品開発」「販売チャネル」「顧客サポート」に分割する。
  2. 問題解決
    売上減少の要因を「客数」「客単価」「購入頻度」に分解する(→ロジックツリー)。
  3. 自己成長
    「英語を習得する」という困難を、「単語」「文法」「リスニング」「スピーキング」に分割して学習計画を立てる。

まとめ

  • 細分化:要素に分けて整理すること
  • 場合分け:条件ごとに成立/不成立を切り分けること
  • 成立条件・不成立条件を探ると、一般論の限界を超えられる
  • 複数軸での分析、因果・手順の分解が効果的
  • ツリー構造を使えば抜け漏れなく整理できる

「細分化・場合分け」は、シンプルながらも論理思考の本質であり、ビジネスのあらゆる場面で差をつける強力なツールです。


よくある質問(Q&A)

Q1. 細分化と場合分けの違いは?
A. 細分化は「要素に分解すること」、場合分けは「条件ごとに整理すること」です。

Q2. 実務で最も使いやすい場面は?
A. 問題解決(原因分析)、市場分析、戦略立案、会議での議論整理などに活用できます。

Q3. どうやって習慣化できますか?
A. 「必ずツリーにしてみる」「条件を2軸以上で考える」とルール化すると自然に身につきます。

あなたは細分化、場合分けを業務で適用できていますか?全体感をとらえたうえで、細分化・場合分けしていくことが日々の業務で大切な思考法です。コンサルティングの多くも課題感を定義し、場合分けし、場合分けした課題を有効な手法で解決していくものです。

個別コンサルティングのご相談は下記よりお問い合わせください。

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参考文献

細分化とは?-コトバンク
場合分けとは?

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