この記事はこんな人におすすめ
- チームの振り返りを効率的に行いたいリーダーやマネージャー
- Agile開発やプロジェクトマネジメントに取り組んでいる人
- PDCAやふりかえり手法を整理したいビジネスパーソン
- 個人の学習・キャリアにも使える簡単なフレームワークを知りたい人
記事の概要
KPT(ケーピーティー、ケプト) とは、プロジェクトや業務を振り返る際に使われるシンプルなフレームワークです。
- K(Keep):うまくいったので今後も続けたいこと
- P(Problem):うまくいかなかったこと、課題
- T(Try):次回挑戦したいこと、改善策
アジャイル開発の現場やビジネス研修で広く使われており、日本企業でもふりかえりの代表的手法として普及しています。
この記事を読むと変わること(Before / After)
Before | After |
---|---|
振り返りが「感想会」で終わっていた | 行動につながる具体的な改善点が出せる |
成功体験を共有できていない | Keepでチームの強みを再確認できる |
課題を繰り返していた | ProblemとTryで改善サイクルを回せる |
KPTとは?(定義)
KPTとは、Keep・Problem・Tryの3つの観点から業務やプロジェクトを振り返り、改善につなげる手法です。
- Keep:継続したい成功要因(例:会議前の資料共有が効果的だった)
- Problem:改善すべき課題(例:会議が長引いて生産性が低下した)
- Try:次に試すアクション(例:会議のアジェンダを事前に設定する)
KPTの起源
- 1990年代後半から2000年代にかけての アジャイル開発手法(Scrumなど) の普及とともに広まった。
- 特定の学者が理論的に体系化したというより、現場の実践から生まれたふりかえり手法。
- 日本ではIT業界や教育現場を中心に導入され、いまではビジネス全般に応用されている。
KPTのメリット・デメリット
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
シンプルさ | 3区分なので誰でも取り組める | 抽象的な議論で終わる可能性 |
効率性 | 短時間でふりかえりができる | 課題の深掘りには限界がある |
行動力 | Tryで次回アクションが明確化 | Keepが形骸化するとマンネリ化 |
個人の経験でいうと、Keepよりも、Problemの洗い出し数が多くなりがちです。
悪いところだけではなく、良い点もしっかり確認することが重要です。
KPTの活用事例
チームの振り返り
- Keep:朝会での情報共有が円滑だった
- Problem:タスクの見積もりが甘く遅延が発生
- Try:見積もりにレビュー工程を追加
個人の学習
- Keep:毎日30分の読書習慣を維持
- Problem:要点をまとめず知識が定着しない
- Try:読書後にメモをSNSで発信
プロジェクト管理
- Keep:顧客との定例ミーティングが有効
- Problem:議事録作成に時間がかかりすぎた
- Try:AI議事録ツールを導入
KPTの実践ステップ
- 振り返りの場を設定する(週次・月次など)
- ホワイトボードやオンラインツール(Miro, MURAL, Notionなど)を用意
- Keep・Problem・Tryの3つに分けて書き出す
- グループで共有し、Tryの優先順位を決定
- 次回のアクションに反映
KPT実践のコツ
- 時間を区切る
- ダラダラ続けると形骸化するので、短時間(15〜30分)で区切るのがおすすめ。
- 「Keep 5分」「Problem 10分」「Try 10分」といった時間配分を決めると効率的。
- Tryは必ずアクション化する
- 「次は気をつける」では抽象的すぎる。
- 「次回の会議は30分以内で終える」など、行動レベルに落とし込むことが重要。
- 〜する」と動詞の形に落とし込むと良いです。
- Keepを軽視しない
- 改善点(ProblemやTry)に偏りがちだが、成功要因(Keep)を認識することもチームのモチベーションにつながる。
- 発言しやすい雰囲気をつくる
- ネガティブな指摘がしやすいよう、心理的安全性を確保する。
- 「人ではなく仕組みやプロセス」に焦点を当てると健全な議論ができる。
- ツールを活用する
- オンラインなら Miro、MURAL、Jamboard、Notion、オフラインなら付箋やホワイトボードを使うとスムーズ。
- 記録を残すことで、次回のTryの検証につながる。
KPTのテンプレート
Miroで用意してあるテンプレートを利用しましょう。

KPTふりかえり(日本語) Template | Miroverse
Discover how Kazuki Mori@NRI does KPTふりかえり(日本語) in Miro with Miroverse, the Miro Community Templates Gallery. View Kazuk...
よくある質問(FAQ)
Q1. PDCAとどう違う?
→ PDCAは改善サイクル全体を回す枠組み、KPTはその中の「Check(振り返り)」に特化した手法です。
Q2. どのくらいの頻度でやるべき?
→ チームではスプリントごと(1〜2週間)や月次で行うのが効果的。個人なら週次レビューに取り入れやすいです。
Q3. 大人数でも使える?
→ はい。付箋やオンラインツールを使うことで、大人数でも意見を集約できます。
まとめ
- KPTとは、Keep・Problem・Tryの3視点で振り返るフレームワーク
- 起源はアジャイル開発の現場で実践的に広まった手法
- シンプルで誰でも活用できるが、深掘りには他手法との併用が有効
- チームや個人の改善活動において、短期的な振り返りに最適
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