Fun/Done/Learn(FDL)とは?チームの学びを深めるふりかえり手法を徹底解説

省察

この記事はこんな人におすすめ

  • チームでのふりかえりをもっと楽しく効果的にしたい人
  • アジャイル開発やスクラムを導入しているプロジェクトマネージャー
  • KPT以外の振り返り手法を探している方
  • チームのモチベーションを高めながら改善につなげたいリーダー

記事の概要

Fun/Done/Learn(FDL) とは、チーム活動やプロジェクトを振り返る際に使われるフレームワークです。

  • Fun(楽しかったこと)
  • Done(やったこと・達成できたこと)
  • Learn(学んだこと)

の3つを振り返ることで、成果と学び、そしてチームの雰囲気をバランス良く共有できます。
KPTが課題発見に強いのに対し、Fun/Done/Learnはポジティブな共有とチーム学習に強みがあります。


この記事を読むと変わること(Before / After)

BeforeAfter
ふりかえりが課題ばかりになりがち楽しさや成功も共有できる
成果を「感覚」でしか捉えていないDoneで具体的に達成を整理できる
学びが言語化されず消えていたLearnで知識をチームに蓄積できる

Fun/Done/Learnとは?(定義)

Fun/Done/Learnとは、「楽しかったこと・やったこと・学んだこと」を共有するシンプルなふりかえり手法です。

  • Fun:やって楽しかったこと、盛り上がった活動
  • Done:チームで実際に成し遂げたこと
  • Learn:そこから得られた学びや気づき

チームがやったことを、Fun、Done(またはDeliver)、Learnという3つの軸とその重複で見直します。
本記事の冒頭のアイキャッチ画像を参考にしてください。また出典元の記事内にも、実際のワークで活用した画像が掲載されています。

このフレームワークをはポジティブな雰囲気を作りながら改善点を見つけられるのが特徴だと思います。KPTだと、Problemの数だけ多くあげがちです。それも本来は楽しかったけどうまくいかなかったものも混ざっているので、もったいない振り返りですよね。その点、FDLはポジティブに振り返りができる点が良いと思います。


Fun/Done/Learnのメリット・デメリット

項目メリットデメリット
チームビルディング楽しかったことを共有でき、雰囲気が明るくなる課題発見は弱め
学習効果学びを言語化して共有できる改善アクションが出にくい場合がある
成果確認Doneで進捗を明確にできる継続的な改善サイクルには別手法と併用が必要

Fun/Done/Learnの活用事例(重複を考慮)

1. プロジェクトの振り返り(開発チーム)

  • Fun:ブレスト会議が活発で盛り上がった
  • Done:新機能を予定通りリリースした
  • Learn:ユーザーの早期テスト導入が有効だと学んだ

重複の視点

  • Fun ∩ Done:楽しく議論したアイデアが実際に実装された
  • Done ∩ Learn:リリースした機能からユーザーの反応を学んだ
  • Fun ∩ Done ∩ Learn:盛り上がりながら作った機能が成果につながり、改善の学びも得られた → チームが「理想的な循環」を体験

2. 教育現場・研修プログラム

  • Fun:グループディスカッションで意見交換できた
  • Done:全員が課題レポートを提出
  • Learn:仲間の意見から新しい視点を学んだ

重複の視点

  • Fun ∩ Learn:楽しく対話することで知識が定着
  • Done ∩ Learn:提出課題を通じて理解が深まった
  • Fun ∩ Done:みんなで取り組むことで達成感があった
  • Fun ∩ Done ∩ Learn:楽しく学びながらレポート提出まで達成し、学習成果が最大化

3. チームビルディング活動

  • Fun:アイスブレイクゲームで大笑いした
  • Done:全員で協力して課題解決ワークを完了
  • Learn:役割分担の大切さを実感

重複の視点

  • Fun ∩ Done:楽しく協力してタスクを終えられた
  • Done ∩ Learn:協力のプロセスから役割分担の重要性を学んだ
  • Fun ∩ Learn:ゲームを通じて自然に学びが生まれた
  • Fun ∩ Done ∩ Learn:協力しながら楽しく課題を終え、チームワーク向上の学びも得られた

Fun/Done/Learnの実践ステップ

  1. ホワイトボードやオンラインツール(Miro, MURAL, Notionなど)を用意
  2. Fun / Done / Learn の3つの欄をつくる
  3. 各メンバーが付箋やコメントで書き出す
  4. チーム全体で共有し、盛り上がった点や学びを整理
  5. 必要に応じて次回のTry(改善アクション)につなげる★

私は、FDLに加えてTryを意識してAcition整理することにしています。


Fun/Done/Learn実践のコツ

  • Funを軽視しない:チームの雰囲気を良くする効果が大きい
  • Doneを数値化する:曖昧な感覚ではなく、達成を明確にする
  • Learnを記録に残す:ナレッジとして次の活動に活かせるようにする
  • 他の手法と組み合わせる:課題発見ならKPT、優先順位決定ならPDCAと併用する

FDLのテンプレート

Miroで利用することができます

ファンダンラーンふりかえり Template | Miroverse
Discover how Yasui Tsutomu does ファンダンラーンふりかえり in Miro with Miroverse, the Miro Community Templates Gallery. View Yasui's...

よくある質問(FAQ)

Q1. KPTとの違いは?
→ KPTは「課題解決」に強く、Fun/Done/Learnは「ポジティブな共有と学び」に強いです。

Q2. どんなチームに向いている?
→ 新規チームや関係性を深めたいチームに特に有効です。

Q3. 個人でも使える?
→ はい。日記や学習ログとして「Fun/Done/Learn」を使うとモチベーション維持につながります。


まとめ

  • Fun/Done/Learnとは「楽しかったこと・やったこと・学んだこと」を振り返るフレームワーク
  • ポジティブに成果や学びを共有できるため、チームビルディングや教育現場に有効
  • 課題発見や改善サイクルにはKPTなどと組み合わせるとより効果的
    • 特に学びだけで終わらせずに、Try視点を補強することも大事

参考文献

今回のフレームワークは、下記記事が出典元です。

ファン・ダン・ラーン(FDL)ふりかえりボード - Qiita
ふりかえりで使える手法としてKPTやYWTなどがありますが、新しくファン・ダン・ラーン(Fun/Done/Learn)というアプローチを作ったので紹介します。チームがやったことを、Fun、Done(またはDeliver)、Learnという3...

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