マーケティング

Cause-Related Marketing(コーズマーケティング)とは?事例やCSR・CSVとの違いを解説

2026.11.03
Cause-Related Marketing(コーズマーケティング)とは?事例やCSR・CSVとの違いを解説

商品を購入することが、社会貢献につながる。

例えば、商品を1つ購入するごとに10円が自然保護団体へ寄付される仕組みがあったとします。消費者は普段の買い物を通じて社会貢献に参加でき、企業は商品の販売促進やブランド価値の向上を目指せます。そして、寄付を受けるNPO・NGOは活動資金を得られます。

このように、企業のマーケティング活動と社会的な目的を結びつける手法が「コーズ・リレーテッド・マーケティング(Cause-Related Marketing)」です。

近年、企業には商品やサービスの価値だけでなく、社会や環境に対する姿勢も問われています。しかし、社会貢献を訴求するだけで、消費者の共感や購買行動につながるとは限りません。

重要なのは、企業の事業上の成果と社会課題の解決を両立させ、その成果を適切に評価することです。

この記事では、海外の学術文献や専門機関の定義をもとに、コーズ・リレーテッド・マーケティングの仕組み、国内外の事例、CSRとの違い、企業とNPO・NGOの協働方法、効果測定について解説します。

コーズ・リレーテッド・マーケティングとは?

コーズ・リレーテッド・マーケティングとは、企業が社会的な目的への支援とマーケティング活動を結びつけ、企業と社会の双方に価値を生み出そうとする手法です。

英語では「Cause-Related Marketing」と表記されます。

「Cause」は社会的な大義や支援すべき目的を意味します。例えば、環境保護、教育支援、貧困対策、地域活性化などが該当します。

代表的なのは、商品の購入に応じて企業がNPO・NGOなどに寄付する仕組みです。ただし、コーズ・リレーテッド・マーケティングは、単なる寄付付き商品だけを意味するものではありません。

企業が社会課題への支援をマーケティング活動と結びつけ、企業と社会の双方に成果をもたらそうとする点が特徴です。

海外の学術文献・専門機関による定義

コーズ・リレーテッド・マーケティングの考え方を正確に理解するために、海外の学術文献や専門機関の説明を確認しましょう。

1. SAGE|企業と社会の双方に利益をもたらすマーケティング

米国の学術出版社SAGEが刊行する『Encyclopedia of Business Ethics and Society』では、コーズ・リレーテッド・マーケティングを次のように定義しています。

a company forming a relationship with a particular cause or causes for mutual benefit.

日本語訳:企業が特定の社会的な目的と関係を築き、双方に利益をもたらすこと。

出典:SAGE, Encyclopedia of Business Ethics and Society, 「Cause-Related Marketing」

https://doi.org/10.4135/9781412956260.n115

同文献では、コーズ・リレーテッド・マーケティングを、社会的な目的と企業の目的の双方を達成するための戦略的マーケティング手法として説明しています。企業にとっては、評判の向上、競合との差別化、ブランド認知の向上、顧客ロイヤルティの強化、売上の拡大などが期待されます。

一方、社会的な目的に対しては、資金や認知の獲得などの価値をもたらします。この定義で重要なのは、企業と社会の双方に利益があることです。企業が利益を得ること自体は否定されていません。むしろ、企業の成長と社会貢献を両立させる点に、この手法の特徴があります。

2. 米国マーケティング協会(AMA)|販売促進の手法として位置づけ

米国マーケティング協会(American Marketing Association:AMA)は、マーケティングの専門家や研究者が参加する専門団体です。AMAの公式サイトでは、マーケティングの基本要素である「Promotion(プロモーション)」の説明において、コーズ・リレーテッド・マーケティングを具体的な手法の一つとして挙げています。

コーズマーケティングとは 、企業の販売 キャンペーンを 非営利団体と直接結びつけるプロモーション戦略です。一般的に、スポンサー企業は自社の 商品 や サービスの購入時に、その団体への寄付を行うというオファーを行います。慈善活動とは異なり、コーズマーケティングに費やされる資金は寄付ではなく事業経費であり、
投資対効果が期待されます 

出典:American Marketing Association, What is Marketing? — The Definition of Marketing

ここで重要なのは、AMAがコーズ・リレーテッド・マーケティングを、社会貢献活動としてだけではなく、マーケティングの実践手法として扱っている点です。ただし、この定義はコーズ・リレーテッド・マーケティングそのものの独立した定義ではなく、プロモーションの具体例として紹介しているものであることに注意です。

3. Fundraising Regulator|企業と慈善団体の協働における透明性

英国のFundraising Regulatorは、慈善団体などによる資金調達活動の規範を定め、適切な実施を促す機関です。同機関は、コーズ・リレーテッド・マーケティングに関連する概念として「Commercial Participator(商業参加者)」を説明しています。これは、慈善団体に寄付することを訴求しながら、自社の商品やサービスを販売する企業などを指します。

例えば、書籍が1冊売れるごとに1ポンドを慈善団体へ寄付する企業が該当します。

Fundraising Regulatorは、企業と慈善団体の協働に際して、契約内容や寄付額の算定方法を明確にすること、適切に活動を監督することなどを求めています。

出典:Fundraising Regulator, Guidance for charitable institutions working with commercial participators

https://www.fundraisingregulator.org.uk/about-fundraising/resources/guidance-charitable-institutions-working-commercial-participators

この資料は、コーズ・リレーテッド・マーケティング全体の学術的な定義ではありません。しかし、企業とNPO・NGOが協働する際に、寄付の仕組みや透明性をどのように確保すべきかを考えるうえで参考になります。なお、英国の法制度に基づく内容であり、日本にそのまま適用されるものではありません。

海外の定義からわかる3つの特徴

以上の文献やガイダンスを踏まえると、コーズ・リレーテッド・マーケティングには3つの特徴があると整理できます。

  1. 社会的な目的があること:環境保護や教育支援など、解決を目指す社会課題が明確になっている。
  2. マーケティング活動と結びついていること:商品の販売促進、ブランド構築、顧客との関係強化などにつながる仕組みがある。
  3. 企業と社会の双方に価値を生み出すこと:企業の事業上の成果と、社会課題の解決に向けた成果の両方を目指している。

つまり、単に企業が寄付するだけではなく、社会貢献とマーケティングの関係を設計することが重要です。

コーズ・リレーテッド・マーケティングの仕組み

コーズ・リレーテッド・マーケティングでは、企業・消費者・NPO・NGOなどが関わります。例えば、企業が「対象商品1点の購入につき10円を自然保護団体に寄付する」というキャンペーンを実施したとします。この場合、次のような関係が生まれます。

関係者主な行動期待される価値
企業商品を販売し、売上に応じて寄付する売上拡大、ブランド価値向上
消費者対象商品を購入する商品の利用、社会貢献への参加
NPO・NGO寄付金を活動に活用する活動資金の獲得、社会課題の認知拡大

企業が一方的に寄付するのではなく、消費者が商品を購入する行動を通じて社会貢献に参加できることが特徴です。ただし、消費者が実際にその社会課題に共感するかどうか、商品購入の理由になるかどうかは、商品や施策内容によって異なります。そのため、企業は消費者の関心と社会課題の関係を理解したうえで、取り組みを設計する必要があります。

コーズ・リレーテッド・マーケティングの代表的な事例

1. アメリカン・エキスプレス|自由の女神修復キャンペーン

コーズ・リレーテッド・マーケティングの代表的な事例として知られているのが、1983年にアメリカン・エキスプレスが実施した自由の女神修復キャンペーンです。同社は、カードの利用1回につき1セント、新規カードの申し込み1件につき1ドルを修復活動に寄付する仕組みを設けました。大塚商会の解説によると、キャンペーンによって約170万ドルの寄付が集まり、期間中の新規会員数は45%、カード利用は28%増加したとされています。この取り組みは、社会貢献への参加をカード利用と結びつけた点が特徴です。企業にとってはカード利用の促進、社会にとっては歴史的建造物の修復支援という、双方の目的を持ったキャンペーンでした。ただし、キャンペーン期間中に売上や利用が増えたとしても、その増加分すべてが施策によって生まれたとは限りません。マーケティングの成果を評価する際は、外部要因や比較対象も考慮する必要があります。

2. ベルマーク運動|日常の買い物を教育支援につなげる

日本で広く知られている取り組みの一つが、1960年に始まったベルマーク運動です。対象商品に付いているベルマークを学校などで集め、教育設備や教材の購入に役立てる仕組みです。消費者が普段の買い物を通じて教育支援に参加できることが特徴です。ベルマーク運動は、日本におけるコーズマーケティングの先駆的な取り組みとして紹介されることがあります。一方、運動そのものは教育支援を目的とする仕組みであり、参加企業ごとのマーケティング目的や成果は区別して考える必要があります。

3. ボルヴィック|「1ℓ for 10ℓ」

ミネラルウォーターブランドのボルヴィックが実施した「1ℓ for 10ℓ」も、商品購入と社会貢献を結びつけた著名な事例です。日本で販売された対象商品1リットルにつき、アフリカで安全な水10リットル分の供給につながる支援を行う取り組みでした。商品と社会課題の関連性がわかりやすい点が特徴です。ただし、この事例をコーズ・リレーテッド・マーケティングとして分類するかどうかについては議論があります。北海道大学CoSTEPが公開した講義レポートでは、当時の取り組みがマーケティング課題の解決を活動目標としていなかったことから、フィランソロピーとして分類できるという見方が紹介されています。

この違いは重要です。社会貢献活動と商品購入が結びついているからといって、すべてが同じマーケティング手法に該当するわけではありません。企業がどのような目的で実施し、何を成果として評価するかによって、取り組みの位置づけは変わります。

4. 楽天「SAVE OUR SYMBOLS CHALLENGE」

楽天グループは10月1日、生きものや自然環境の保全に取り組むプロジェクト「SAVE OURSYMBOLSCHALLENGE」で、運営する「楽天市場」に特設キャンペーンページを開設したと発表しました。対象商品の購入額の1%を、環境や生態系の保全活動を行う団体・組織に寄付するキャンペーンです。

「同じ価格で商品を購入するならば、環境団体にも寄付ができる楽天で選ぼう」という消費者も増えるでしょう。

参加企業は、アイロボットジャパン、サラヤ、ダイソン、MOON-X Japanの猫壱カンパニー、サントリーウエルネス、タイガー魔法瓶、山田養蜂場など。寄付先は、公益社団法人日本動物園水族館協会、国際自然保護連合日本委員会、公益財団法人日本自然保護協会と記載されています。


引用:楽天、生きものや自然環境の保全に取り組むプロジェクト 「SAVE OUR SYMBOLS CHALLENGE」の特設ページを開設https://corp.rakuten.co.jp/news/update/2026/1001_01.html

楽天グループは昨年も同様のキャンペーンを実施し、対象商品の購入額の1%に当たる約160万円を保全活動に寄付した。今回は2回目の参加です。

CSR・CSV・フィランソロピーとの違い

コーズ・リレーテッド・マーケティングと混同されやすい概念に、CSRやCSV、フィランソロピーがあります。それぞれの違いを整理しましょう。

概念主な目的・考え方代表的な活動
CSR(企業の社会的責任)企業が社会や環境に対する責任を果たす環境配慮、人権尊重、社会貢献
CSV(共通価値の創造)社会課題の解決と経済価値の創出を両立する社会課題を解決する事業開発
コーズ・リレーテッド・マーケティング社会的な目的とマーケティング活動を結びつける寄付付き商品、購入連動型支援
フィランソロピー公益のために資金や資源を提供する寄付、助成、社会貢献活動

これらは、必ずしも互いに独立したものではありません。例えば、企業がCSR方針の一環としてコーズ・リレーテッド・マーケティングを実施することもあります。

CSRとの違い

CSRは、企業が社会的責任を果たすという幅広い考え方です。環境負荷の削減、労働環境の改善、法令遵守、人権尊重なども含まれます。一方、コーズ・リレーテッド・マーケティングは、社会的な目的への支援をマーケティング活動と結びつける手法です。つまり、CSRは企業活動全体に関わる考え方であり、コーズ・リレーテッド・マーケティングはマーケティング領域での具体的な取り組みと整理できます。

CSVとの違い

CSVは、社会課題の解決を企業の競争力や事業成長につなげる考え方です。例えば、環境負荷を減らす技術を開発し、その技術を事業として成長させる取り組みが考えられます。一方、コーズ・リレーテッド・マーケティングでは、既存の商品やサービスの販売と社会的な目的を結びつける方法が代表的です。両者は社会と企業の双方に価値を生み出す点では共通していますが、CSVは事業モデルや企業活動全体に関わるより広い概念です。

コーズ・リレーテッド・マーケティングのメリット

企業のメリット

企業にとって期待できる効果は、ブランドへの共感や顧客との関係強化です。例えば、同じような価格や品質の商品が並んでいる場合、社会貢献への参加が購入を後押しする理由になる可能性があります。

また、企業が大切にしている価値観を具体的な活動として伝えられます。

主なメリットとして、次のようなものが考えられます。

  • 商品やブランドの差別化
  • 顧客からの共感や信頼の獲得
  • 商品購入の促進
  • 企業の社会的な姿勢の可視化
  • 従業員の参加意識の向上

ただし、こうした効果が必ず得られるわけではありません。消費者の関心、商品との関連性、価格、企業への信頼などによって成果は異なります。

NPO・NGOのメリット

NPO・NGOにとっては、活動資金の獲得だけでなく、社会課題の認知を広げる機会になります。企業の商品や広告を通じて、これまで団体を知らなかった人に活動を知ってもらえる可能性があります。また、企業との協働が継続すれば、寄付以外にも広報支援、専門人材の協力、共同イベントなどにつながることが考えられます。特に重要なのは、企業との接点を単発の資金調達で終わらせず、継続的な関係に発展させることです。

消費者のメリット

消費者は、普段の買い物を通じて社会課題の解決に参加できます。寄付先を自分で探したり、別途寄付の手続きをしたりする必要がないため、社会貢献に参加するきっかけになり得ます。一方で、商品の購入がどのような支援につながるのかが不透明であれば、十分な納得感は得られません。そのため、企業には寄付の仕組みや成果をわかりやすく伝えることが求められます。

コーズ・リレーテッド・マーケティングのデメリットと注意点

社会貢献を販売促進に利用していると思われるリスク

社会貢献を強く訴求する一方で、実際の支援内容が不透明な場合、企業への不信感につながる可能性があります。

例えば、「売上の一部を寄付」とだけ記載していても、具体的な寄付割合や寄付先がわからなければ、消費者は取り組みの実態を判断できません。

企業が利益を得ること自体が問題なのではありません。企業の利益と社会貢献の関係を明確にし、誠実に説明することが重要です。

一時的なキャンペーンで終わるリスク

短期間の寄付付きキャンペーンでは、一時的に認知が広がっても、継続的な支援につながらない場合があります。企業とNPO・NGOは、キャンペーン終了後の関係についても考えておく必要があります。例えば、購入者に支援先団体の活動を知ってもらう機会を設けるなど、継続的な関心につながる仕組みが考えられます。

売上と社会的成果が一致しないリスク

商品が多く売れたからといって、社会課題の解決が十分に進んだとは限りません。例えば、自然保護を目的とするキャンペーンで寄付金額が増えても、それだけでは生物多様性の保全にどの程度貢献したかは判断できません。売上や寄付金額だけでなく、実際の活動や社会的成果まで確認することが重要です。

詳しくはアウトカムについて解説した記事をご覧ください。
https://kanseian.earth/the-consultants-tool-kit/the-difference-between-output-and-outcome/

コーズ・リレーテッド・マーケティングの実践方法

STEP1. 解決したい社会課題を明確にする

まず、企業としてどのような社会課題に取り組むのかを決めます。環境保護、教育、地域活性化、福祉など、社会課題は多岐にわたります。重要なのは、企業の事業やブランドと社会課題の間に、消費者が納得できる関係があることです。例えば、アウトドア用品メーカーが自然環境の保全に取り組む場合、事業との関連性を説明しやすいでしょう。

STEP2. 協働するNPO・NGOを選定する

次に、社会課題の解決に取り組む団体を探します。団体を選ぶ際には、活動実績、専門性、情報公開の状況、企業との価値観の一致などを確認します。企業が一方的に支援内容を決めるのではなく、NPO・NGOが実際に必要としている支援を理解することが大切です。

STEP3. 消費者が参加できる仕組みを設計する

社会貢献の仕組みを、消費者にとってわかりやすい形にします。例えば、次のような方法があります。

  • 対象商品1点につき10円を寄付する
  • 対象商品の売上の1%を寄付する
  • 対象商品の購入をきっかけに企業が一定額を寄付する

寄付金額や算定方法、実施期間、寄付先、寄付上限の有無などは、事前に明確にしておきましょう。

STEP4. 企業とNPO・NGO双方の目標を設定する

コーズ・リレーテッド・マーケティングでは、企業と社会の双方に目標を設定することが重要です。企業側の目標としては、対象商品の売上、購入率、ブランド認知などが考えられます。一方、NPO・NGO側の目標には、寄付金額、新規支援者数、社会課題への認知、活動実績などがあります。双方の目的を整理することで、施策終了後に成果を評価しやすくなります。

STEP5. 成果を測定し、改善する

施策の実施後は、企業とNPO・NGOの双方で成果を確認します。重要なのは、商品がどれだけ売れたかだけでなく、社会課題への理解や支援行動にどのような変化が生まれたかを確認することです。キャンペーンの成果を振り返り、次の取り組みに反映させましょう。

コーズ・リレーテッド・マーケティングの効果測定とKPI

ここまで紹介したように、コーズ・リレーテッド・マーケティングには、企業の事業上の目的と社会的な目的があります。そのため、効果測定でも双方の成果を確認する必要があります。

観省庵では、次の3つの視点から評価することを提案します。

評価領域主なKPI評価したいこと
企業の成果売上、購入率、リピート率、ブランド認知事業上の成果が生まれたか
消費者の態度変容社会課題の認知率、共感度、支援意向消費者の理解や意識が変わったか
社会的成果寄付金額、支援人数、活動実績社会課題の解決に貢献したか

消費者の態度変容を評価する

特に重要なのが、消費者の態度変容です。例えば、自然保護をテーマにしたキャンペーンを考えてみましょう。

消費者が商品を購入するまでには、次のような変化が考えられます。

  1. 自然環境の問題を知らない
  2. 商品を通じて自然環境の問題を知る
  3. 自然保護の必要性に共感する
  4. 商品を購入して支援に参加する
  5. 支援先団体の活動に関心を持つ
  6. 寄付やボランティアなどの継続的な支援に参加する

こうした変化は、売上だけでは把握できません。また、すべての消費者がこの順番で行動するわけでもありません。消費者がどのような状態から、どのような状態に変化することを目指すのかを明確にすることが大切です。このような態度変容の設計には、コンセプトダイアグラムの考え方も活用できます。

NPO・NGOのためのコンセプトダイアグラム|支援者との関係を可視化し、広報戦略につなげる方法
https://kanseian.earth/marketing/npo-concept-diagram/

GA4を活用した効果測定

Google Analytics 4(GA4)を活用すれば、キャンペーンサイトにおけるユーザー行動を計測できます。

例えば、次のような指標です。

  • キャンペーンページの閲覧数
  • 社会課題の解説ページへの遷移率
  • 支援先団体の紹介ページへの遷移率
  • 寄付ページへのクリック率
  • 商品購入の完了率
  • キャンペーン経由の再訪問率

ただし、GA4で確認できるのは、主にWebサイトやアプリ上の行動です。社会課題への理解や共感、実際の社会的成果を測定するためには、アンケートや支援先団体の活動報告なども組み合わせる必要があります。また、キャンペーンによる売上への影響を検証する場合は、実施前後の比較だけでなく、可能であれば比較対象を設けることが望ましいでしょう。

NPO・NGOが企業との協働を成功させるためには?

NPO・NGOが企業との協働を考える際、単に「寄付をお願いします」と伝えるだけでは、企業にとっての価値が十分に伝わらない場合があります。

重要なのは、団体が取り組む社会課題と、企業が目指す成果を結びつけることです。

例えば、自然保護団体がアウトドア用品メーカーと協働する場合、自然環境の保全という共通の関心を軸に、寄付付き商品の企画や消費者向けの啓発活動などが考えられます。

このとき、NPO・NGOは企業に対して、次のような内容を提案できます。

  • 団体が解決を目指している社会課題
  • 企業の事業や顧客との関連性
  • 消費者が参加できる具体的な仕組み
  • 企業に期待できるマーケティング上の成果
  • 団体が目指す社会的な成果
  • 双方の成果を評価する方法

特に、社会課題に関する専門知識や活動実績は、NPO・NGOが企業に提供できる重要な価値です。一方、企業は資金だけでなく、商品、販売網、広告、専門人材などを提供できる可能性があります。双方が持つ資源を活かすことで、単発の寄付を超えた継続的な協働につながることが期待できます。

コーズ・リレーテッド・マーケティングに関するよくある質問

コーズ・リレーテッド・マーケティングとCSRの違いは何ですか?

CSRは、企業が社会や環境に対する責任を果たすという幅広い考え方です。一方、コーズ・リレーテッド・マーケティングは、社会的な目的への支援を商品の販売促進やブランド構築などのマーケティング活動と結びつける手法です。

コーズ・リレーテッド・マーケティングは中小企業でも実施できますか?

実施できます。大規模な広告予算がなくても、対象商品の売上の一部を地域のNPOに寄付するなど、小規模な取り組みから始められます。ただし、寄付の仕組みや実施にかかる費用、協働先との合意内容などは事前に整理する必要があります。

寄付付き商品はすべてコーズ・リレーテッド・マーケティングですか?

必ずしもそうとは限りません。寄付付き商品は代表的な実施方法ですが、企業がどのような目的で実施しているかによって、フィランソロピーなどに分類される場合もあります。

コーズ・リレーテッド・マーケティングの成果はどのように測定しますか?

企業の売上や購入率だけでなく、消費者の社会課題への理解、寄付金額、支援先団体の活動実績などを組み合わせて評価します。企業の事業上の成果と社会的な成果を分けて測定することが重要です。

まとめ|企業の成長と社会課題の解決を両立するために

コーズ・リレーテッド・マーケティングは、社会的な目的への支援を企業のマーケティング活動と結びつける手法です。海外の学術文献でも、企業と社会の双方に価値を生み出す点が重要な特徴として説明されています。

企業にとっては商品の販売促進やブランド構築の機会となり、NPO・NGOにとっては活動資金や認知を獲得する機会になります。しかし、重要なのは社会貢献を訴求すること自体ではありません。

企業の事業成果、消費者の態度変容、社会課題の解決という3つの視点から成果を評価することが、継続的な取り組みにつながります。

企業とNPO・NGOがそれぞれの目的を理解し、共通の成果を目指すことが大切です。

観省庵のマーケティング・データ分析支援

観省庵では、企業やNPO・NGOに向けて、マーケティング戦略の設計、Webサイトのデータ分析、成果指標の整理、改善施策の検討などを支援しています。特に規模は関わらず自然保護団体様との関係を強化しています。

「社会貢献活動の成果をどのように測定すればよいかわからない」
「広報活動を認知拡大だけで終わらせず、寄付や問い合わせにつなげたい」
「企業とNPOの協働施策について、成果を可視化したい」

こうした課題に対して、利用者の行動やデータをもとに、目的から逆算したマーケティング施策を検討します。
活動の成果を可視化し、継続的な改善につなげたい方は、観省庵のコンサルティングサービスをご覧ください。

https://kanseian.earth

参考文献

  1. SAGE Publications. Cause-Related Marketing. Encyclopedia of Business Ethics and Society.
    https://doi.org/10.4135/9781412956260.n115
  2. American Marketing Association. What is Marketing? — The Definition of Marketing.
    https://www.ama.org/the-definition-of-marketing-what-is-marketing/
  3. Fundraising Regulator. Guidance for charitable institutions working with commercial participators.
    https://www.fundraisingregulator.org.uk/about-fundraising/resources/guidance-charitable-institutions-working-commercial-participators
  4. 大塚商会「コーズ・リレーテッド・マーケティング」
    https://mypage.otsuka-shokai.co.jp/contents/business-oyakudachi/words/cause-related-marketing.html
  5. 北海道大学CoSTEP「社会貢献をマーケティングに活かすコーズ・リレーテッド・マーケティング」
    https://costep.open-ed.hokudai.ac.jp/news/11627
  6. Google検索セントラル「SEOスターターガイド」
    https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/seo-starter-guide?hl=ja

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